唾液腺におけるシグナル伝達のクロストークとその分子機構
Project/Area Number |
07771662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
天野 伊知郎 徳島大学, 歯学部, 助手 (20212566)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 唾液腺 / 唾液分泌 / イソプロテレノール / 感作 / 脱感作 / 受容体 / G蛋白質 / 老化 |
Research Abstract |
ラット耳下腺組織をイソプロテレノール(IPR)で前処理し、一定時間の休息後、再度同濃度のIPRで刺激した場合に、その前処理時間の違いによってこの組織切片からのアミラーゼ分泌にSupersensitivityからDesensitizationへの逆転現象が惹起される。この現象に促進性GTP結合(GS)蛋白質ではなく、抑制性GTP結合(Gi)蛋白質が重要な役割を果たしており、そのりん酸化によるこの蛋白質の機能の調節が極めて重要であることを私は既に明らかにしてきた。そこで今回、Gi蛋白質がりん蛋白質であることを明らかにし、そのりん酸化部位を検索してG蛋白質の機能調節の分子機構を追究した。 ラット耳下腺細胞膜の膜蛋白質を可溶化し、抗Gi蛋白質抗体(AS/7)を用いて免疫沈降させたGi蛋白質にcAMP-dependent protein kinase (PKA)によって[γ-^<32>P]ATPから^<32>PがPKAの量に依存して転移された。実験開始1時間前に[^<32>P]orthophosphateを投与したラットから摘出した耳下腺組織切片を用いてIPRとの反応を行い、可溶性膜蛋白質とAS/7との免疫沈降物をSDS-PAGEに供した後Gi蛋白質のりん酸化レベルを調べると、Supersensitivity時には対照に比して50%増大しており、逆にDesensitization時には対照に比して40%減少していた。Protein phosphatase 1または2Aを阻害する濃度の0.25μ M okadaicacidで前処理した耳下腺組織を用いると、IPRによって誘導されるSupersensitivityは増強され、Desensitizationは全く認められなかった。さらに耳下腺組織をIPRと短時間前処理した後、この蛋白質とAS/7との免疫沈降物を4NHC1、110℃で4時間加水分解し、Superose HR10/12カラムを用いてりんアミノ酸を分離検索するとserine残基およびtyrosine残基への^<32>Pの取り込みが認められた。 以上の結果、Gi蛋白質の機能はそのりん酸化レベルによって調節され、この蛋白質の機能の変動がIPRになる耳下腺アミラーゼ分泌のSupersensitivity或いはDesensitizationの誘導と密接に関連していることが明らかにされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)