Project/Area Number |
07771692
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻本 仁志 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30263859)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | マウス唾液腺発癌 / 上皮増殖因子 / RT-PCR |
Research Abstract |
マウス唾液腺発癌機構ならびに、マウス顎下腺で多量に産生される上皮増殖因子(EGF)の発癌に対する作用は明らかにされていない。本研究では、顎下腺発癌実験系を用いたEGFの腫瘍形成に及ぼす影響と顎下腺組織でのEGFレセプター(EGFR)の発現につき研究を行った。8週齡ICRマウスの左顎下腺内にジメチルベンズアントラセン(DMBA) 1mgを投与し、2週後より実験群1にはEGF2ugを、実験群2には基剤を週2回8週間皮下投与した。実験群3はEGFのみ投与、実験群4は処理を行わなかった。12週後、腫瘍はDMBA投与の左顎下腺でのみ認められ、実験群1,2での癌の発生頻度は32%と58%であった。実験群1から4での左顎下腺重量はそれぞれ69mg,220mg,100mg,99mgであり、左顎下腺重量は未処理の実験群4と比較して、基剤投与(2群)では増加、EGF投与(1群)では減少した。顎下腺内のEGF量を測定した結果、左顎下腺EGFレベルはDMBA投与を受けた実験群1,2でいずれも未処理群より低下していた。以上より、顎下腺発癌系において、EGFにはマウス乳癌で報告されているような発癌の促進作用は認められず、むしろEGF投与は顎下腺腫瘍形成に対して抑制的に作用することが明らかとなった。マウス顎下腺における蛋白レベルでのEGFRの発現を免疫組織染色で検索したところ、正常の顎下腺組織と比較して前癌性病変と考えられる管腔様病変の構成細胞、癌細胞にEGFRの発現が強く認められた。mRNAレベルに関しては、マウスEGFRのチロシンキナーゼドメインにプライマーを設定しRT-PCRを行った結果、正常組織と比較して転写レベルでも腫瘍組織でEGFR発現の亢進が認められた。今後、EGFの顎下腺癌細胞に対する分化・増殖抑制作用と他のエピレギュリン、アンフィレギュリンなどEGFファミリーの増殖促進作用につきマウス顎下腺癌由来の培養細胞とn vivo両面での検索が必要と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)