ポルフィロモナス・ジンジバリスによる歯肉溝滲出液好中球殺菌能の抑制機序の解析
Project/Area Number |
07771740
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 哲夫 新潟大学, 歯学部, 助手 (00215344)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 歯肉溝滲出液 / 好中球 / ポルフィロモナス・ジンジバリス / 殺菌能 / Fcγレセプター / mRNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、1-歯周炎患者末梢血(PB)並びに歯肉溝滲出液(GCF)好中球のFcγ-レセプターII,IIIの発現と殺菌能との関連性を検索すること、2-歯周病原菌の1つであるP.gingivalis(P.g.)が検出されたGCF中の好中球機能の変動と、その分子・遺伝子的検索を行うことである。 1-についてはモノクロナール抗体、蛍光ビーズ及びDCFH-DAを用いてフローサイトメーターにて解析を行った。その結果、GCF好中球の貧食能及び活性酸素産生能は共にPB好中球と比較して有意に低下し、FcγレセプターII,IIIの発現についても、それぞれ有意に低下していた。更に、FcγR発現と貧食能の門では共に強い相関が認められた(FcγRII:r=0.499,,FcγRIII:r=0.669)。この2つのFcγR発現低下が蛋白合成段階で生じる現象か否かを検証するために、RT-PCR法を用いてGCF好中球のFcγRmRNA発現を解析したところ、PB好中球に比べて低下する傾向にあった。以上からGCF好中球の殺菌能はFcγRの発現低下に起因しており、不可逆的な反応であることが示唆された(第38回秋季日本歯周病学会総会にて発表)。 2-についてはP.g.検出部位のスクリーニングに抗P.g.LPSモノクロナール抗体を用いる予定であったが、凝集の問題があり、An-IDENTシステムでの嫌気培養法を採用した。P.g.が検出された歯周ポケット内好中球の殺菌能は、非検出部位に比べて有意な低下が認められた(日本歯周病学会会誌1994年)。また、P.g.培養上清中にはFcγRII,RIIImRNA発現を低下させる因子が含まれることがRT-PCR法により判明した。以上よりP.g.検出部位では、好中球の生体防御機能が抑制され、歯周炎の病態悪化に密接に関連していることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)