Project/Area Number |
07771773
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷 芳子 長崎大学, 歯学部, 助手 (90196436)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Actinobacillus actinomycetemcomitans / 抗原性蛋白質 / LPS / 莢膜多糖 / サイトカイン |
Research Abstract |
歯周病原性細菌のひとつであるActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a)Y4株の培養上清を高速液体クロマトグラフィを用いて、クロマトフォーカシングとゲルろ過カラムにかけ、歯周炎患者血清IgGと特異的に反応する分子量約37kDa、pI約5.5の抗原性蛋白質(37P)を精製した。37Pに対する特異抗体を作製し、その他の歯周病原性細菌やA.aの他の血清型との交差反応を調べたところ、血清型に関わらずA.aとのみ反応した。この蛋白質はマウス腹腔マクロファージに対してGM-CSF産生誘導能を殆ど有しなかった(50μg/mlでわずかに検出限界5pg/mlを越えたが、5および0.5μg/mlでは検出限界以下)が、TNF-α、IL-1β、IL-6の産生誘導能を有した(1995年日本歯周病学会会誌・37巻秋季特別号(135))。A.aY4株の凍結乾燥菌体に温フェノール水法と超遠心処理を行い、温フェーノール水抽出物(PWE)を得、さらにこれに除核酸、除蛋白質処理を行い精製PWEとした。精製PWEをAffi-prep^<【○!R】> polymixin(Bio-rad)とバッジ法で反応させカラムに充填した後、非吸着分画と吸着分画に分けて溶出し、DWで十分透析、凍結乾燥した。吸着部分をLPS、非吸着部分を莢膜多糖(CPS)とした。LPSのエンドトキシンユニット(EU)は精製PWEの約6倍、CPSのEUはLPSの1/70であった。37P、LPS、CPSのマウス腹腔マクロファージに対するサイトカイン産生誘導能を比較した。TNF-α産生誘導能は、50μg/ml濃度ではLPS≫CPS>37P、5および0.5μg/mlではLPS≒CPS≫37P蛋白質であった。IL-6産生誘導能は、50、5、0.5μg/mlのどの濃度においても37P>CPS>LPSの順であった。IL-1β産生誘導能は、50μg/mlで37P≫CPS≒LPS、5μg/mlで37P>CPS≒LPS、0.5μg/mlでLPS>37P≒CPSであった。この結果は、A.aの菌体外に産生される異なった抗原、即ち、蛋白質、LPS、莢膜多糖は、各々誘導するサイトカイン、至適濃度が異なることを示しており、歯周炎病巣部局所でも異なった生物学的活性を担っているのではないかと推測される。今後各抗原が果たしている歯周組織での免疫学的役割についてさらに解明していきたい。
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