重合性の高い含浸樹脂を利用した新しい接着性補綴用歯面処理に関する研究
Project/Area Number |
07771863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平 曜輔 長崎大学, 歯学部, 助手 (40226725)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 象牙質 / 接着 / 金属塩化物 |
Research Abstract |
本研究では象牙質の露出した支台歯に対して接着ブリッジを装着することを想定し、象牙質とレジンの接着に関する研究を行った。エッチング液、プライマー、メタクリル酸メチル(MMA)をトリブチルボラン(TBB)で重合させる化学重合型レジンを用いた。牛歯象牙質と金属棒を接着し、接着試験による接着強さの測定と示差走査型熱量計(DSC)を用いたレジン重合のモデル実験を行った。接着試験に関しては、以前エナメル質接着で有効性を確認した10%リン酸で象牙質表面をエッチング処理した後の、微量の金属塩化物を含有した35%メタクリル酸2ヒドロキシエチル(HEMA)水溶液のプライマーとしての効果を比較検討した。その結果、金属塩化物としては塩化亜鉛、塩化すず、塩化アルミニウム、塩化セリウム、塩化コバルトはあまり効果的ではなく、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化第二銅はほぼ同程度の高い効果を示した。またプライマー中の至適濃度は濃い方から塩化第一鉄>塩化第二鉄>塩化第二銅の順序であった。さらにアクリル基を含む有機酸の銅塩を2種類試作し、同様にプライマーとしての効果を検討したところ、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸銅も2-アクリロイルオキシエチルフタル酸銅も接着性改善の効果は認められるものの、塩化第二銅の場合ほどではなかった。DSC測定の結果からはTBB系重合開始剤は過酸化ベンゾイル/アミン系に比べ重合がゆっくり進むこと、また塩化第二銅等金属塩化物の添加によって重合完了までに要する時間が短くなることが確認できた。これはプライマーとして塗布された金属イオンによって接着界面付近のレジンの重合が促進されることが、象牙質とレジンの接着強さの向上に寄与しているという仮説を裏付けるものと考えられる。以上のことから10%リン酸によるエッチングと金属塩化物を含んだプライマーによるエナメル質と象牙質の一括処理の可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)