チタン鋳造時の反応層が腐蝕抵抗および機械的性質におよぼす影響
Project/Area Number |
07771888
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
玉置 幸道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80197566)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | チタン / 曲げ強さ / 適合性 / 腐蝕抵抗 / 反応層 / 鋳型材 |
Research Abstract |
チタン鋳造時には,鋳型成分のシリカやリン酸の取り込みや侵入による汚染が大きな問題になっている。本課題においてはこのような汚染によって生じる反応層がチタンの歯科補綴物としての適合性や機械的特性,腐蝕抵抗性などにどのように影響するかについて検討した。その結果,これらを含む鋳型材によって製作したチタン鋳造体は硬さの測定より,表面に約150-300μmの反応層が認められた。また,鋳造体を細部まで確認するためには表面に焼き付いた鋳型成分を何らかの機械的方法で除去しなければならず,適合性にも大きく影響するものと考えられた。そのため,従来より金属の鋳造収縮を補償するといわれている各鋳型材の硬化時および加熱時の膨張量も一様ではないことが認められた。さらに,これらの鋳造体をポテンショスタットを用いて電流-電圧曲線をとり調べたところ,反応層を除去したチタン鋳造体と比較すると腐蝕電流密度が低下することが認められた。機械的特性は鋳造体の曲げ試験によって評価した。3×2×50mmの四角柱の鋳造体を作製し,3点曲げ試験を行ったところ反応層をそのまま残したものでは435.1±6.6 (N)であったが,反応層を除去したものでは322.7±20.7 (N)と有意に機械的強さが減少することが認められた。従って,チタン鋳造時の反応層は適合性や腐蝕抵抗性,補綴物の機械的強さに大きく寄与していることが判明した。一方,シリカやリン酸を全く含有しない市販のチタン鋳造用鋳型材や当教室で開発・研究を重ねているカルシア系鋳型材では,チタン溶湯と鋳型成分との反応が抑制されるため,鋳型とチタン鋳造体との型離れが良く,上記のような問題も軽減されるものと予想される。しかし,これらの鋳型材は流動性が悪い,あるいは硬化時間が長い,生型強さに乏しいなどの欠点があるため,今後より良い鋳型材の開発がチタンの普及にとって急務であるといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)