Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.マウス可移植性腫瘍細胞の中で、肝臓への遠隔転移能を有する腫瘍細胞:RL♂1を用いて、以下の転移抑制実験を行った。菌体成分であるLPS(Lipopolysaccharide)は、その投与によって、肝臓においてIL-1,IL-6,IL-12,TNF-αなどのサイトカインの産生が誘導されることが知られているが、腫瘍細胞接種の24時間前にLPSを腹腔内投与し、2週間後、肝転移形成を非投与群と比較した。非投与群は、著明な肝転移を形成し、正常な肝臓と比較して、その重量は4倍であるのに対し、LPS投与群は、若干の転移巣は認めたものの、その重量は正常な肝臓の1.18倍と、有意に肝転移を抑制した。また、LPSの代わりにIL-1,TNF-αを同時に投与したところ、肝転移の抑制は全く認められなかった。以上のことから、IL-1,TNF-α以外のサイトカインが関与しているのか、あるいはサイトカイン以外のファクターによるものなのか、現在検討中である。 2.当病院を受診した口腔癌患者の組織を一部採取し、免疫組織学的にCD44の発現とその患者の予後について比較、検討した。採取された13症例(昨年報告した7症例を含む)の内、5症例は強陽性、4症例は弱陽性、4症例は陰性であった。13症例の内、4症例に遠隔転移を認めた。転移部位はいずれも所属頸部リンパ節で、3症例はCD44強陽性例、1症例はCD44の弱陽性例であった。現在のところ、CD44陽性例においてリンパ節転移が高頻度に認められているが、原発部位、治療内容(放射線療法、化学療法を行ったもの、外科治療法のみのもの)が症例によって異なるため、それらの要因も含めて追跡していく予定である。
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