Project/Area Number |
07771923
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
狩野 証夫 群馬大学, 医学部, 助手 (20261852)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1995: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | トランスフォーミング成長因子(TGF-α) / 白板症 / 前癌病変 / 口腔領域 |
Research Abstract |
1.対象及び方法:口腔白板症71例の生検及び手術標本を対象とし、正常口腔粘膜16例をコントロールとした。 (1)免疫組織化学的検討;標本を10%ホルマリン固定後、通法によりパラフィン包埋し、3μmの切片を作成した。免疫染色はABC法によりおこない、一次抗体には抗TGF-α抗体(Oncogene science)を使用した. (2)酵素抗体法(ELISA)による検討;まず、凍結標本をホモジネートした後、遠沈した上清をTGF-α測定キット(大塚製薬)を使用し、ELISA readerにて吸収度を測定した。(白板症6例、正常口腔粘膜4例で検討した。) 2.結果:(1)TGF-αの免疫組織化学的所見;正常口腔粘膜及び、単純過角化症では上皮層(基底層、棘細胞層、顆粒層)全体が均一に陽性反応を示し、染色の程度は上層に向って段階的に強まる傾向を示した。一方、上皮性異形成を示す組織では、特に基底層での発現は弱いか、または発現を認めない傾向であった。有棘層や顆粒層での発現は、正常組織と比較すると不規則で、しかも、発現部位の染色性は増加する傾向であった。また、白板症症例の22%では顆粒状に発現していた。 (2)酵素抗体法(ELISA)所見;検体のTGF-α濃度は白板症組織では、0.110±0.053ng/ml、正常口腔粘膜組織では、0.150±0.114ng/mlで統計学的に有意差はなかった(p=0.4731)。 3.考察:口腔白板症の中でも異形成を有する病変の免疫組織化学的な染色性やTGF-αの発現部位の不規則性は、細胞個々の変化(極性の喪失など)を反映するものと考えられ、これにより、個々の細胞レベルに応じて、TGF-αの合成システムになんらかの異常が生じた結果ではないかと推測できる。今後、さらに産生された蛋白質と同時に、m-RNAの発現を定量、定性し、個々の細胞の持つ機能を詳細に検討することが必要と考えている。
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