線維芽細胞成長因子および神経伝達物質が唾液腺細胞の分裂増殖に与える影響について
Project/Area Number |
07771931
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
各務 秀明 名古屋大学, 医学部, 助手 (80242866)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 唾液腺 / 3T3細胞 / 細胞培養 / FGF-2 / VIP / substanceP / 神経伝達物質 / 顎下腺 |
Research Abstract |
本研究では3T3細胞をfeeder layerとして用いることにより、ラット正常唾液腺細胞の選択的平面培養を確立した。培養唾液腺細胞は3T3細胞を排除しながら増殖し、コンフルエントになる段階でほぼ上皮細胞のみとなる。この細胞を継代し、以下の実験に用いた。 培養された細胞はPAS染色、抗アミラーゼ抗体による免疫染色で陽性像を示し、透過型電子顕微鏡において分泌顆粒が認められた。培養細胞は形態学的に腺房細胞類似の性質を有していた。同様にヒト顎下腺細胞についても培養を行い、形態学的に類似の細胞を得ることができた。また、ラット唾液腺細胞に対するfura-2を用いた生理学的な検討では、カルバコールに対し単離唾液腺細胞と同様の反応性を示した。次にVIP、substancePがラット培養唾液腺細胞の増殖能に及ぼす影響について検討を行った。同細胞に対し、isoproterenolでは明らかな総細胞数の増加とBrdU陽性細胞の増加を示したのに対し、VIP、substancePでは有意な増殖の促進は認められなかった。ラット唾液腺細胞およびヒト顎下腺細胞を用いた実験で、FGF-2は培養4日目より有意に培養細胞の増殖を促進した。また、濃度による違いでは、100ngで最大の効果を示し、それ以上の濃度では一定となった。以上から、FGF-2においては直接唾液腺細胞に対し増殖促進に働くことが明らかとなり、将来萎縮した唾液腺に対する治療目的での投与の可能性が示された。一方、in vivoでは増殖促進作用が報告されているVIPやsubstancePにおいては、単独での直接の作用は無いかあるいはごく弱く、今後は他の生理活性物質との相互作用について解明すべきと考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)