咀嚼筋活動が下顎頭軟骨の組織分化に及ぼす影響-共焦点レーザー顕微鏡による免疫組織化学的研究-
Project/Area Number |
07772013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 一郎 東北大学, 歯学部, 助手 (70241643)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 咀嚼筋 / 電気刺激 / 下顎頭軟骨 / 生力学的力 / 細胞外基質 / 二次軟骨 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
下顎頭軟骨における成長発育に咀嚼筋の筋機能が果たす役割を解明することを課題として,外側翼突筋,内側翼突筋,咬筋および側頭筋の活動性の亢進が軟骨組織の分化形成に与える影響をコラーゲン,フィブロネクチン,グリコサミノグリカンなどの細胞外基質およびインテグリンの局在や細胞骨格の変化に注目して検討する.特に今年度は外側翼突筋および側頭筋に目標を限定して,電気刺激にともなう活動性の亢進が下顎頭軟骨における間葉系細胞の分化に与える影響をI型,II型コラーゲン,グリコサミノグリカンなどの細胞外基質の局在を指標として検討した.外側翼突筋の電気刺激に伴い,外側翼突筋付着部や,関節円板後部組織付着部において軟骨組織の脱分化および膜内骨形成が起こることが示された.すなわち,軟骨組織に特有の細胞外基質であるII型コラーゲンおよびグリコサミノグリカンが消失し,これにかわってI型コラーゲンを主体とする石灰化した骨組織へと置換された.また側頭筋の電気刺激にともない関節面における下顎頭軟骨の成長板様構造が失われていくことを阻害し,軟骨層の厚径が実験期間にわたり維持されるのが観察された.この実験系で認められたコンドロイチン4硫酸の局在変化は関節面への負荷の増加に伴う未分化間葉系細胞の分化段階の一過性の上昇を示唆するものと考えられた.これと同時に正中口蓋縫合軟骨に圧縮力あるいは牽引力を負荷する実験系を作製し実験を行ったところ,外側翼突筋あるいは側頭筋に電気刺激を負荷した場合の下顎頭軟骨と同様の変化が認められた.こうした事実は下顎頭軟骨のみならず二次軟骨組織における軟骨組織の分化形成が種々の咀嚼筋活動や外力に大きな影響を受けることを示唆するものと考えられ,矯正臨床における下顎骨の成長発育に対するアプローチの効果や方法について重大な示唆に富んだものであると考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)