口腔"S.milleri"の細菌性心内膜炎誘発能に関する研究
Project/Area Number |
07772036
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
北田 勝浩 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90195264)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ストレプトコッカス・ミレリ / 細菌性心内膜炎 / 動物実験 |
Research Abstract |
ラットの心内膜炎実験モデルを用いて、主に口腔から分離された"Streptococcus milleri"菌株の心内膜炎誘発能について調べた。"S.milleri"18株(S.anginosus:8株、S.constellatus:5株、S.intermedius:5株)のうち1株(K233aK)を除いて全ての菌株が、同時に調べたStreptococcus oralis ATCC10557と同様、感染性疣贅を形成した。しかし、その能力には3菌種において大きな違いがあった。S.anginosusが最も強く、93.0%のラットに感染性疣贅を形成し、大部分(69.8%)のラットの静脈血より接種菌が検出された。病理組織検査の結果、疣贅の心内膜への湿潤、炎症性細胞の心内膜への湿潤があり、心内膜炎および心筋炎の所見が認められた。一部には心筋梗塞の所見の認められたものもあった。一方、S.constellatusの心内膜炎誘発能は中程度であり、S.oralis ATCC1057と同程度の能力を有していた。27匹中14匹のラットに感染性疣贅の形成が認められた(51.9%)。2株(NCTC10708株とTI-1株)では、静脈血中より菌体が検出された。最も能力の弱い菌種はS.intermediusであり、なかには全く感染性疣贅を形成しない菌株も1株(K233aK)あった。また、いずれのラットの静脈血中からも菌体は検出されなかった。対照群とした、カテーテルの挿入のみのラットの一部には無菌的な疣贅の形成が認められたが、菌体接種のみのラット(各菌株2〜3匹づつ)には全く疣贅の形成は認められなかった。 今回のラット実験モデルを用いた研究により、"S.milleri"は心内膜炎誘発能を有しgroupを構成する3の菌種間でのその能力の違いが明らかになった。S.intermediusは弱いのに対して、S.anginosusが非常に強く、S.constellatusが中程度であり、S.oralis ATCC10557と同程度の能力を有していた。現在のところ、これらの3菌種間の能力の違いが何に起因するのか不明であり、今後の検討が必要となる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)