Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,CT三次元画像を頭蓋形態の定量的分析に用いるための基礎データとして,画像の誤差と変形の大きさを調べることを目的とした. 乾燥頭蓋骨を生体に近い状態で撮影するため,水を満たした円筒状のアクリル容器に入れた.X線CT装置で,スライス幅とテーブル送り幅を1mmから5mmの5種類に設定してヘリカルスキャン撮影を行った.撮影データから三次元画像を作成し,頭蓋骨と比較して三次元画像の再現性を調べた.三次元画像と頭蓋骨を計測し,計測値の比較から寸法変化率とひずみを求めた. CT三次元画像は,単純X線写真では観察することが困難な犬歯窩や頬骨弓の豊隆,頬骨突起の凹彎部など,頭蓋骨表面の凹凸を鮮明に再現していた.しかし,スライス幅が大きい画像では,薄い骨や細い骨,細かい穴,狭い間隙など,微細な構造の再現性が悪かった.寸法変化は,スライス幅2mm以下の画像では1%,スライス幅3mmから5mmの画像では2%程度と小さかった.しかし,スライス幅5mmの画像では部位によっては微細な構造が十分に再現されず,寸法変化が5%以上を示したものもあった.画像のひずみは,すべてのスライス幅の画像で見られなかった. これらの結果は,第40回西日本歯科矯正学会にて発表した.その後,本研究の結果をもとに,CT三次元画像を臨床での頭蓋形態分析へ応用し,第54回日本矯正歯科学会および第18回日本口腔科学会九州地方会で発表した.
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