シクロプロピルスルフィド体のカチオンラジカル種を利用した[3+2]-環化反応の開発
Project/Area Number |
07772098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 佳司 大阪大学, 薬学部, 助手 (20227060)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | [3+2]-環化反応 / シクロプロピルスルフィド / アミニウム塩 / ジキナン骨格 / ラジカルカチオン |
Research Abstract |
シクロプロピルスルフィド体の反応性を明らかにすると共に、その特性を利用した新規な有機合成反応の開発を目指し研究を行ってきた。これまでに、4価のセリウム試薬を酸化剤に用いればシクロプロピルスルフィド体が2電子酸化され、シクロプロパンの開裂した1、3-ジカチオン等価体となることを見い出し、環状エーテル化合物の不斉合成に利用できることを報告した。そこで今回は、上記反応の中間体と考えられるカチオンラジカル種を利用した分子内オレフィンとの[3+2]-環化反応の開発を目的として、4価のセリウム試薬よりも酸化力の弱いアミニウム塩との反応を検討し以下に示す結果を得た。 分子内オレフィンとしてアルキル二置換体、電子供与基あるいは電子求引基を有する化合物を種々合成し、1電子酸化剤として知られるアミニウム塩(Ar_3NSbCl_6)との反応を試みた。その結果、ベンジリデン誘導体を用いたときのみ目的とする[3+2]-環化反応が進行すること、また光増感反応よりもアミニウム塩[(p-BrC_6H_4)_3NSbCl_6]を用いたほうが収率よく環化体が得られることがわかった。そこで、この反応のメカニズムを明らかにするため種々のベンジリデン誘導体(Ar:p-MeOC_6H_4,C_6H_5,p-BrC_6H_4,p-NO_2C_6H_4)を合成し、ベンゼン環上の置換基効果とオレフィンの(E)、(Z)による反応性の違いを調べた。ベンゼン環上の置換基を換えても収率は変わらないが反応速度は非常に異なり、電子供与性の置換基を持つものほど反応は速い。また同様にオレフィンの幾何異性体間でも反応速度は大きく異なり、(E)-体がスムーズに環化するのに対して、(Z)-体は非常に反応が遅く(E)-体に異性化してから環化反応が進行することが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
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