Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本課題に沿って本年度中に得られた研究成果の概要を以下に示す. ヒト降圧利尿ペプチド(α-hANP,分子量約3000)の鼻粘膜からの吸収性及び利尿効果を,ラットのin situモデルおよび家兎摘出鼻粘膜を用いたin vitroモデルにより評価した.その結果,a-hANPの吸収速度は時間の経過とともに濃度非依存的に減少し,鼻環境内におけるα-hANPの安定性確保を必要とした.また,有効濃度を得るには,吸収速度の改善を必要とした.さらに,α-hANPの血中濃度と利尿効果は,薬動学-薬力学連結モデルで予測される値と一致した. 次に,mucocilliary clearanceからの制御による吸収改善を目的に,粒子径約250μmのゼラチンマイクロスフィア(GMS)に付着性を有する高分子をコーティングして,平面性の粘膜としてハムスターの頬袋粘膜を用いて滞留性を試験した.試験した高分子のうち,キトサン処理で滞留性が上昇した. また,鼻粘膜のモデルとして気管支粘膜を用い,種々粒子径のアルブミンマイクロスフィア(AMS,平均粒子径1μm,50μm and 200μm)を調製し,AMSの滞留性に対する粒子径の影響について調べた.その結果,ハムスター頬袋粘膜上でのコーティングしていないGMSの滞留時間に比べてすべてのAMSの滞留時間が著しく延長し,特に平均粒子径,50μmのAMSで優れていた. キトサンは低刺激性の吸収促進剤として期待されているので,α-hANPとほぼ同分子量のFITC-dextran(分子量約4000)をモデル物質として用い,その促進効果をラットのin situモデルで評価した.その結果,FITC-dextranの透過性が,キトサンの添加によって増加したことから,キトサンは優れた吸収促進剤にもなると思われた. 以上の知見から,平均粒子径,50μm程度のマイクロスフィアにキトサンをコーティングすることで,α-hANPの安定性を確保でき,鼻粘膜滞留性および吸収性の優れたDrug Delivery Systemを開発できることが示唆された.
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