Project/Area Number |
07772147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上原 孝 北海道大学, 薬学部, 助手 (00261321)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | インスリン / 細胞分化 / 3量体G蛋白質 / Ras / MAP kinase / PI3-kinasse / wortmannin / 3T3-L1細胞 |
Research Abstract |
3T3-L1線維芽細胞はインスリン・デキサメサゾン・IBMXの同時添加によって白色脂肪細胞へと分化する。しかしながら、細胞分化を誘導する情報伝達系については不明である、そこで、3T3-L1細胞の分化にはインスリンがkey roleを担っていることから、インスリンの情報伝達系を解析することで、脂肪細胞分化の誘導機構を調べた。インスリンをコンフルエントの3T3-L1線維芽細胞に添加すると、インスリン受容体チロシンキナーゼの自己リン酸化が速やかに起こった。さらに、細胞の増殖や分化に関与していると考えられている低分子量G蛋白質のRasとRasの下流に存在するmitogen-activated protein kinase(MAPキナーゼ)の活性化が起こった。また、インスリンによる糖取り込み作用に関与していることが示唆されているphosphatidylinositol 3-kinase(PI3-キナーゼ)も活性化することが分かった。一方、PI3-キナーゼの特異的阻害薬であるwortmanninは3T3-L1線維芽細胞の脂肪細胞への分化を濃度依存的に抑制することが分かった。さらには、wortmanninはインスリン刺激に伴うRasの活性化とMAPキナーゼ活性やMAPキナーゼの活性化に必須なチロシン残基のリン酸化を抑制した。この時、インスリンと同様に受容体チロシンキナーゼを活性化させるepidermal growth factor(EGF)刺激に伴うRasおよびMAPキナーゼの活性化に対してwortmanninは抑制作用を示さなかった。このことから、3T3-L1細胞においてインスリンとEGFの情報伝達系は異なっており、脂肪細胞分化を引き起こすインスリンの情報伝達系はPI3-キナーゼ→Ras→MAPキナーゼというカスケードを経ていることが推定された。
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