c-mycによる熱ショックタンパク質70(hsp70)遺伝子の発現制御と細胞周期
Project/Area Number |
07772149
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平 敬宏 北海道大学, 薬学部, 助手 (70197036)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | c-myc / hsp70 / 転写因子 / 癌化 / 細胞周期 |
Research Abstract |
今までにヒトhsp70遺伝子上にC-MYC複合体結合配列,MYC-HSP-B,を同定し、そこが転写エンハンサーおよびDNA複製開始領域として機能することを報告した。今年度、MYC-HSP-Bを詳細に解析し、同時にMYC-HSP-Bに結合し、C-MYCと複合体形成するタンパク質cDNAをクローニングした。 まず、hsp70プロモーター領域に種種の欠損変異を導入し、そのプロモーター活性を測定した。その結果、MYC-HSP-Bは強いエンハンサー活性を有することが明らかとなった。次にMYC-HSP-B、およびMYC-HSP-Bを含むhsp70遺伝子をルシフェラーゼ遺伝子に連結したキメラ遺伝子を作成し、マウスBalb3T3細胞でstableに発現する細胞株を作成した。この細胞株を同調し、細胞周期におけるhsp70発現に対するMYC-HSP-Bの効果を検討した。hsp70遺伝子そのものはmiidle G1期に最初の発現ピークを迎え、次にS期中期に2番目のピークを迎える。MYC-HSP-Bキメラ遺伝子のみを導入した細胞株では、この最初のピークのみの発現が見られ、MYC-HSP-Bに変異を導入したものはその発現が観察されなかったことから、MYC-HSP-Bはhsp70遺伝子のmiddle G1での発現を規定するエンハンサーと考えられる。そこで、S期で発現するサイクリンA遺伝子にこのMYC-HSP-Bを連結し、細胞周期における発現を検討したところ、サイクリンA遺伝子本来のS期での発現ピークに加え、新たにmiddle G1に発現ピークが出現した。この結果は、MYC-HSP-Bが細胞周期特異的発現を規定することを示している。 次にMYC-HSP-Bに結合するタンパク質cDNAを酵母One hybrid systemによりクローニングした。得られたpositive clonesを更に、C-MYCとの結合を指標としたTwo hybrid systemにより更にスクリーニングし、2種類のcDNAを得た。塩基配列解析の結果、これらのタンパク質はヒストンH1遺伝子の細胞周期特異的発現を規定するエンハンサー結合タンパク質H1TF2Aの新たなファミリータンパク質と考えられた。H1TF2Aがhsp70遺伝子の発現制御を、ましてやC-MYCとの結合などは一切報告されておらず、新たな発見といえる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)