Project/Area Number |
07772158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 純 東京大学, 薬学部, 助手 (50230397)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | バリウム / 一酸化窒素 / 血管内皮細胞 / NO合成酵素 |
Research Abstract |
申請者は一酸化窒素(NO)の薬理学研究と冠動脈の特殊性に関する研究を進めてきたが、近年CaとBaがイヌの冠動脈を弛緩させることを薬理学的手法を用いて報告し、内皮依存性弛緩因子(EDRF)/Noの合成遊離機構を介することや種や部位によって反応の違いが生じることが明らかにした(Yamazaki et al., 1995 ; Ohashi et al., 1995)。ここで明らかになったBaによる内皮依存性の弛緩反応はこれまでに例を見ない。申請者はBaがカルモジュリン依存性のNO合成系を直接活性化させ、弛緩反応を惹起するという仮説を考えた。そして、その作用機序を証明するために(1)摘出血管標本を用いてCaとBaによる弛緩反応と血管内皮への各イオン流入の対応と、(2)CaとBaによるNO合成酵素活性に対する作用を調べた。まず(1)のために、2価イオンの蛍光プローブであるFura 2の蛍光強度比が、試験管内でBa濃度依存性に代わることを確かめた。さらにCaの場合と区別する方法としてCaの励起スペクトルの不変点で測定することが有効であることを示した。結果として、イヌ冠動脈のらせん標本で内皮由来のFura 2蛍光比と血管張力を同時に測定して、CaやBaによる弛緩と蛍光比の増加が内皮細胞依存的に起こることを明らかにした。次に(2)のために、NO合成酵素が豊富なラット小脳から酵素を粗精製し、[^3H]arginineから[^3H]citrullineへの変換を指標にして、BaによるNOの産生を調べた。その結果、Caに比較してBaは高濃度を必要とするが、カルモジュリン依存的にNO合成酵素を活性化することを明らかにした。以上の成績から、イヌの冠動脈に見られたCaとBaによる弛緩反応の作用機序は内皮細胞への各イオンの流入とNO合成酵素の活性化としてほぼ説明できると考えられた。
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