ラット副腎褐色腫由来PC12細胞の神経分化過程におけるカリウムイオンの役割
Project/Area Number |
07772177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
原田 均 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30208681)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | カリウム / 神経分化 / リチウム / NGF / PC細胞 |
Research Abstract |
本研究課題はラット副腎髄質褐色腫由来PC12細胞の神経成長因子(NGF)による神経様細胞への分化過程におけるカリウムイオンの役割について知ることを目的に行った。まず、NGFによるPC12細胞の神経分化に対するK^+イオノフォア(ナイジェリシンおよびバリノマイシン)の影響を調べたところ、神経突起の誘導、アセチルコリンエステラーゼ活性の上昇およびc-fos mRNAの発現はK^+イオノフォアの処置により抑制されたが、膜蛋白質のチロシン残基のリン酸化はほとんど影響されなかった。このことから細胞内のK^+の動態がNGFによる神経分化の情報伝達機構において細胞膜上における過程以降の段階で重要な働きをしているものと推定された。ついで、K^+とイオン半径が近く、しばしばその作用点においてK^+との関わりが上げられるリチウムイオン(Li^+)の影響について検討した。細胞外液中のLi+(3mM)を添加するとNGFによるPC12細胞からの神経突起の誘導、アセチルコリンエステラーゼ活性の上昇およびc-fos mRNAの発現が抑制された。また、この抑制はK^+(10mM)の添加により減弱された。このことからもPC12細胞の神経分化過程においてK^+が重要な働きをしていることが示唆された。 本研究計画により、ラット副腎褐色腫由来PC12細胞の神経分化過程においてカリウムイオンが制御因子として機能することを示すことができ、細胞間情報伝達に関与するカリウムイオンの作用機序および生理的役割の一端を明らかにすることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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