モノクローナル抗体を用いた酸化LDL微量定量法と泡沫細胞内酸化LDL代謝の研究
Project/Area Number |
07772183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
板部 洋之 帝京大学, 薬学部, 助手 (30203079)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 酸化LDL / 泡沫細胞 / 動脈硬化 / モノクローナル抗体 / 酸化PC / アルデヒドPC |
Research Abstract |
抗酸化LDLモノクローナル抗体FOH1a/DLH3は、PCの過酸化反応生成物に対して反応し、ヒト病巣の免疫組織化学で病巣内のマクロファージ由来の泡沫細胞を顕著に染色する。また、この抗体を用いた酸化LDLの高感度定量法により腎透析患者血漿LDL値が健常者の約8倍であることをこれまでに見出している。今年度は本抗体が認識している酸化LDL上の生成物を検討した。抗原活性の測定はサンドイッチELISAを応用した酸化LDLに対する競合反応で調べた。種々PC類似体と抗体との反応性を調べると、アルデヒド基を含む9CHO-PCと卵黄PCのハイドロパーオキサイドが強い抗原活性を示した。PAF、リゾPCなども弱く反応したが、酸化PCに及ばなかった。1-パルミトイル-2-リノレオイルPCを鉄アスコルビン酸で処理し、得られた酸化生成物から抗原活性成分をHPLCで分離した。まずセミ分取シリカゲルカラムで粗分画した4つの活性画分を、ODSカラムに繰り返しかけて活性成分を精製した。レーザー脱離質量分析法による推定分子量(635、649、787、789)から、得られた抗原成分は2位のリノール酸部分が炭素鎖8及び9のアルデヒド、ケト-ヒドロキシ誘導体、ジヒドロキシ誘導体に変化したものであると示唆された。特に分子量649の成分は合成した9CHO-PCとHPLCの溶出位置が一致した。BSA共存下で酸化したPCを抽出しシリカゲルカラムで粗分画すると、アルデヒド誘導体を含む活性画分が著減したが、予めリジン残基を修飾したMDA-BSAに換えるとこの変化はなくなった。以上、本抗体はPCのアルデヒド誘導体、ハイドロパーオキサイドなどいくつかの酸化生成物と反応し、その一部はおそらくシッフ塩基を形成して蛋白質を修飾している。従って、酸化LDL上にこのような構造上の変化が起こっていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)