アルコールをケトン体へ酸化する新規P450のcDNAクローニングと反応機構解析
Project/Area Number |
07772193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
松永 民秀 北陸大学, 薬学部, 講師 (40209581)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Microsomal Alcohol Oxygenase / 7-OH-Δ^8-THC / 7-oxo-Δ^8-THC / 第2級アルコール / ケトン / P450 / サル / マウス |
Research Abstract |
当研究室において、Δ^8-tetrahydrocannabinol(Δ^8-THC)の代謝物である7-OH-Δ^8-THC(第2級アルコール)が、分子状酸素とNADPHを必要とするミクロソーム中の酵素により、7-oxo-Δ^8-THC(ケトン体)に酸化されることを見い出した。さらに、このような反応を触媒する酵素をMicrosomal Alcohol Oxygenase(MALCO)と命名、その高い活性を有するモルモット肝ミクロソームより、主要な酵素として3A subfamilyに属すると推定される新規なP450(P450GPF-B)を精製した。そこで、本研究においてはモルモット以外の動物種について同様に明らかにすると共に、先にcDNAをクローニングしたMicrosomal Aldehyde Oxygenase(MALDO)と比較、それらの性質及び構造を明らかにすることを目的として検討を行った。その結果、マウス及びサル肝のHALCO活性も抗P450G PH-B抗体により顕著に阻害された。また、マウスのHALCO_2活性は、デキサメサゾン及びフェノバルビタール処理により有意に誘導された。そこで、デキサメサゾン処理マウス及び未処理ニホンザルの各肝ミクロソームより、抗P450GPF-B抗体との交差性を指標に精製し、その主要な酵素としてP450MDX-B及びP450JM-Eを得た。これらP450の酵素化学的性質及びN末端アミノ酸配列の比較より、いずれも3A subfamilyに属するP450であることが示唆された。また、^<18>O_2気相下ミクロソーム系による7-oxo-Δ^8-THCへの^<18>Oの取り込みに、光学異性体である7α-と7β-OH-Δ^8-THCでは明らかな違いが認められることから、複数の分子種の寄与があるものと考えていた。しかし、両精製酵素を用いた再構成系においても7α-OH-Δ^8-THCを基質とした場合には7-oxo-Δ^8-THCへの^<18>Oの取り込みが認められたのに対し、7β-OH-Δ^8-THCではほとんど取り込まれなかったことから、1つの分子種が立体選択的な機構により酸化することが示唆された。また、マウスのcDNAライブラリーよりP450MDX-Bと推定されるcDNAをクローニングし、その一次構造を決定した。その結果、本P450は3A subfamilyに属する分子種であると共に、HALDの主要な酵素であるCYP2との相同性は低いことが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)