脂肪酸および胆汁酸塩による薬物の上皮細胞透過性亢進機構の生化学的解明
Project/Area Number |
07772249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤田 卓也 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (00247785)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ペプチド性医薬品 / Caco-2 / プロテアーゼインヒビター / 胆汁酸塩 / 消化管吸収 |
Research Abstract |
本研究年度は、消化管粘膜上皮細胞および肺上皮細胞の培養系、さらにはアフリカツメガエル摘出肺組織を用いて、薬物の上皮細胞透過に及ぼす胆汁酸塩やプロテアーゼインヒビターの透過生亢進効果に関する基礎的情報の収集に努めた。 培養細胞は、消化管粘膜上皮細胞に関してはCaco-2細胞を、肺上皮細胞に関してはA-549細胞を使用した。これらの培養細胞をpolycarbonate膜上に単層培養し、分子量の異なるFITC-dextranをモデル高分子薬物としてその透過性を検討するとともに、胆汁酸塩やプロテアーゼインヒビターを添加した際の透過性の変化や膜抵抗値の変動についても検討を行った。Cac-2、A-549両単層培養細胞の薬物透過には分子量依存性が認められたが、その透過特性は大きく異なりCaco-2細胞の薬物透過性はA-549細胞の薬物透過性と比較して非常に低いものであった。また、膜抵抗値がCaco-2細胞においては600Ω・cm^2、A-549細胞においては150Ω・cm^2と大きく異なっていたことから、両細胞における薬物透過性の差異は両細胞のtight junctionの形成能の差異に起因する可能性が示唆された。また、こうした結果はこれまでの検討により消化管上皮細胞のtight junctionをopeningさせることが示唆されている胆汁酸を添加した際の薬物の透過性亢進が、Caco-2細胞では顕著に認められたのに対し、A-549細胞では認められなかったことからも支持されるものと思われる。同様の検討を、アフリカツメガエル摘出肺組織を用いてUssing chamber法により行った。アフリカツメガエル摘出肺組織の薬物透過性は、我々が既に報告している摘出消化管粘膜組織を用いた検討結果とほぼ一致するものであった。また、胆汁酸塩やプロテアーゼインヒビターの添加によりアフリカツメガエル摘出肺組織の薬物透過性は大きく亢進した。この結果は、A-549培養細胞の結果と相反するものであったが、A-549細胞が肺胞type-II様細胞であり肺組織における薬物透過には大きく関与していない可能性もあり、この点に関してはさらに検討を進める必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)