組換えTSHレセプター発現細胞を用いた自己免疫性甲状腺疾患の病態解析
Project/Area Number |
07772255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
乾 武広 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20213134)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | TSHレセプター / TSHレセプター抗体 / 甲状腺刺激性抗体 / 阻害性TSH受容体抗体 |
Research Abstract |
(1)TSHレセプター抗体(TRAb)のTSHレセプター(R)の結合特異性とTRAbの生物活性発現部位とのヒトTSHRcDNAをpCDNeo‐TSHR(TSHRcDNAを挿入した動物細胞発現用プラスミドneomysin耐性遺伝子を有する)をCHO細胞にエレクトロポレーション法にて導入した。このCHO細胞膜を用いて^<125>I‐標識bTSHの結合を検討したところ、天然のブタ甲状腺細胞膜(可溶化または非可溶化)を用いた場合と同じような特異的結合を示した。bTSHによる^<125>I‐標識bTSHの結合抑制TBI(TSH結合抑制)活性のIC_<50>(TBI50%を示す活性)はCHO細胞膜の方がブタ甲状腺細胞膜よりも少量であった。多量のbTSHのTBI活性は、CHO細胞膜では80%であり、ブタ甲状腺細胞膜では90%であった。このTSHRアッセイ法で、甲状腺機能亢進症患者血清中のTSAbと甲状腺機能低下症患者血清中のTSBAbのTBI活性を測定した。CHO細胞膜でのTBI活性はTSAbとTSBAbともブタ甲状腺細胞膜を用いた場合よりも有意に低値(50%程度)であった。これらの実験から、これら両TRAbはヒト甲状腺細胞膜よりもブタ甲状腺細胞膜に特異的に結合することが示唆された。組換えヒトTSHRではなく、ヒト甲状腺細胞膜(正常またはバセドウ病甲状腺細胞膜)を用いたTSHRアッセイ法でもブタ甲状腺細胞膜よりもTRAbのTBI活性は低値であったので、TRAbはヒトTSHRを用いるアッセイ法はブタTSHよりも感度が劣ることが推定された。 (2)TSAb‐IgGをパパイン(システイン存在下)やペプシンで加水分解したのちProtein A‐Sepharoseカラムで未吸着と吸着分画に分け、Sephadex G‐100でゲル濾過した。Protein A未吸着分画の甲状腺刺激活性はFab(50KD)とそれに続くretarded分画(50KD以下の小分子)に認められた。また、Protein A吸着分画の甲状腺刺激活性は、未消化のIgG分画とそれに続くFc分画(主にFcであるがFabの混入がある)と、さらにretarded分画(50KD以下の小分子)に認められた。このFc分画の甲状腺刺激活性は、Anti‐ヒトFab‐Sepharoseのアフィニティークロマト法で未吸着分画(Fc)に認められないが、吸着分画(Fab分画)に認められる。この実験から、TSAb‐IgGの甲状腺刺激活性は、FabおよびFabよりも小分子分画(Fabの分解物によるらしい)に見出された。このFab分画は、TBI活性は強陽性であるが、小分子分画は非常に弱かった。 まとめ 組換えヒトTSHRでTRAb測定は可能であったが、TBI活性はブタ甲状腺細胞膜(ブタTSHR)よりも感度が低い。TSAb‐IgGのプロテアーゼ処理により、Fab分画のみならず、より小さい小分子分画にTSHRの結合活性と甲状腺刺激活性が見出された。
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(1 results)
Research Products
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