Project/Area Number |
07780025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
家政学
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Research Institution | College of Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
鈴野 弘子 東京農業大学短期大学部, 栄養学科, 助手 (00241191)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 愛玉子 / 水溶性多糖 / ゲル / 光散乱法 / 分子量 / 慣性半径 / ペクチンエステラーゼ / ポリガラクチュロナーゼ |
Research Abstract |
愛玉子(Ficus swkeotsang MAKINO)子実から得られる水溶性多糖ゲルのゲル強度は、調製一定時間後に最大値を示し、その後低下する。そこで、この自動的脆弱化の機構を明らかにするために、脆弱化過程の愛玉子多糖の分子量と分子と広がりを示す慣性半径および多糖中のペクチン分解酵素の性状を検討し、以下の結果を得た。 1.光散乱法によって愛玉子多糖の分子特性を検討したところ、ゲル調製直後から保存5時間にかけて重量平均分子量、慣性半径は大きくなり、その後経時的に小さくなる傾向であった。これらの結果は、愛玉子多糖の脆弱化過程の力学的性質の変化とよく対応していた。なお、重量平均分子量は84×10^4〜45×10^5、慣性半径は130〜240nmであった。また、溶液中の分子のコンフォメーションを示唆する分子量と慣性半径の関係より得られる傾きの指数は、愛玉子多糖の場合0.37であり、一般の果実ペクチンに比べ、分子はかなり収縮している状態であると考えられた。 2.愛玉子多糖中にペクチンエステラーゼおよびポリガラクチュロナーゼの存在が認められ、ペクチンエステラーゼ活性を意味する多糖中の遊離メタノール量は、保存時間が長くなるに従い漸増するのに対し、ポリガラクチュロナーゼ活性を意味する還元糖量は保存24時間以降に増加が著しくなった。また、愛玉子多糖中のペクチンエステラーゼは、弱アルカリ性で活性が高まるなど典型的な植物由来の性質を示し、pH5においてはCa^<2+>、Mg^<2+>の存在で活性が上昇した。ポリガラクチュロナーゼ活性については、金属イオンの影響は認められなかった。 以上の結果より、愛玉子多糖ゲルの脆弱化は、内在しているペクチンエステラーゼの作用によって多糖の低メトキシル化が進み、これがポリガラクチュロナーゼ活性を誘導し多糖を低分子化させて生ずるものと考えられた。
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