Research Abstract |
今回の研究では,脱水レベルが運動時の水分摂取および皮膚血流量に及ぼす影響および,hyperthermiaを抑制することに皮膚血流量の維持が如何に関与しているかについて検討することを目的とした。皮膚血流量の指示としては前腕血流量を用いた。7名の男子(年齢20±1yr,体重68.4±2.0kg,最大酸素摂取量(VO_2max)3.79±0.42 l/min)が高温室(32℃,RH50%)で2種の実験条件について自転車漕ぎ運動を61-64%VO_2maxの運動強度で90分施行した。被験者はrandomlyに,脱水レベル約2.9%(体重減少)の状態で,1)運動時に水分摂取を行わない(NF:no fluid),2)運動時に水分摂取を行う(FR:fluid replacement solution)という実験条件運動を行った。運動時の食堂温(Tes),前腕血流量(FBF),飲水量および発汗量についてみると,Tesは運動時に増加傾向にあるもNFがFRに比べて70分目より高値を示した(p<0.05)。このときの水分摂取量は1650±115mlであった。また、FBFは80分目にFRがNFよりも高値を示し,食堂温の上昇によるFBFの感度(ΔTes/ΔFBF)についてもFRが高く,運動時の体温抑制が示された。以上のことから,脱水時の暑熱下運動時での水分摂取は体温調節における皮膚血流量維持に関与し,体温上昇を抑制し運動能の維持に関与することが示唆された。
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