Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
これまで,糖代謝の維持亢進を目的としたトレーニングは,「体育科学センター」の時間と強度の組み合わせ方式などを基準としながら,対象者の実施可能性や安全性に立脚したものであった.すなわち,どのようなトレーニングが最も効果的であるかについて,明確な生化学的根拠をもととした理論づけがなされていなかった.そこで本研究では,グルコースの取り込みに一義的に関与する,骨格筋のグルコース輸送担体およびそのmRNAを対象として,運動の強度および持続時間の組み合わせという観点から,「トレーニング効果」の高いトレーニングプログラムを明確にすることを目的として行った.対象にラットを用いた.トレーニングは6週間以上とし,小動物用トレッドミルを用い,最終的に25m・min^<-1>を1.2時間負荷する群(n=11),あるいは40m・min^<-1>を45分負荷する群(n=10)を設定した.なお,トレーニング頻度は週5日とした.各群の半数は,最後のトレーニングの1日後に,半数は10日後にm.gastrocnemiusのグルコース輸送担体およびmRNAをそれぞれWestern blotting法およびNorthern blotting法により測定した.その結果,グルコース輸送担体は,いずれのトレーニングプログラムにおいても従来の報告同様トレーニングの1日後で有意に高く,10日後に低下したが,群間に統計上の差異は認められなかった.しかし,25m・min^<-1>群では10日後にも高値を示すもの(n=2)と,そうでないもの(n=4)がみられたのに対し,40m・min^<-1>群では偏差が小さかった.一方,mRNAは,明確な変化を示さなかった.当初の仮説として,グルコース輸送担体に対するトレーニングは,持続時間よりも強度依存の傾向が強いものと考えられたが,上述の2例の例外をのぞき.平均値としてみる限り効果に差異は認められなかった.現在,より低強度長時間のトレーニングによっても差異が認められないかについて検討しており,トレーニングの内容の違いによる明確な差異が生じうるのかについて結論を得たいと考えている.
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