Project/Area Number |
07780181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
山住 勝広 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (50243283)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 社会科授業 / 教室談話 / 社会的実践 / 社会記号論的分析 / 学習モデル / 対話 / 科学的概念 / 異質な声 |
Research Abstract |
本研究では、学校教育における社会科授業を参加者による談話の構築としてとらえ、そうした教室談話という社会的実践を社会記号論的に分析することによって、社会科学習の一つのモデルを提示しようとしてきた。そこでは、社会科授業は、知識習得や思考・判断の個人的な過程というよりも、行為や関係によって結びつけられた参加者たちが異質な言葉(声)を社会的に編成していく過程としてとらえられた。個人の社会認識はそうした他者との公的対話の編物の上の結び目として識別できる。 そこで、本研究ではまず第一に、教科教育における教室談話を日常生活における談話とは異質なものととらえ、その特徴を検討していった。「合理的な談話」と呼びうる教室談話は、●テクストにもとづく現実、●言葉の脱文脈化、といった特徴をもっている。つまり、教科の学習は、現実を言語的に(記号と記号の関係として)対象化する社会的実践だといえるのである。第二に、こうした特定の言葉あるいは声において話すことを学ぶ社会科授業について、とくに「科学的概念」の習得という事態を分析していった。「科学的概念」は教室談話の様式と連関しており、その習得は談話様式の習得として実現される。第三に、社会科学習における子供たちの異質な認識のコミュニケーションを、アメリカの心理学者、キャロル・ギリガンのいう「正義の倫理」と「ケアの倫理」という区別に依拠して分析していった。本研究では、こうした異質な認識のコミュニケーションに注目することによって、対話的な教室談話の構築による社会科学習をモデル化した。 以上の分析は、社会科授業のVTR・カセットテープ記録、トランスクリプト(文字記録)の作成を進めながら、収集・確定されたデータにもとづいた実証的な授業研究として行ったものである。
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