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1920年代の「体育ダンス」-その身体観と教材との関わりについて-

Research Project

Project/Area Number 07780183
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 教科教育
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

廣兼 志保  島根大学, 教育学部, 助手 (00234021)

Project Period (FY) 1995
Project Status Completed (Fiscal Year 1995)
Budget Amount *help
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Keywords教育史 / ダンス教育 / 身体観
Research Abstract

本研究では,ダンス教育研究者である荒木直範(1894-1927)の思想を中心に、彼の考える「理想的な身体」と、それを具現化するためのダンス教材の実際について、以下の事柄を明らかにすることができた。
荒木の考える「理想的な身体」とは、均整がとれ健全で清純なイメージをもつ身体であり、具体例としてギリシア彫刻の写真をあげている。すなわち、彼は西欧の古典的な美を理想とし、日本人の身体を西欧ふうに近代化しようとする立場をとっていたといえる。
一方、アメリカでは、すでに19世紀末には、体育への美的要素の導入が試みられ、エッセティック・ジムナスティックと呼ばれるギリシア彫刻のポ-ズを真似た美的体操が流行しており、その後デルサートシステムの導入を経て:芸術性を加味した体育としてのダンスの教育が行われるようになっていたことがわかった。
このような状況の中で、荒木は、日本人の日常動作の欠点を指摘し、新たな時代の生活様式に適する姿勢や動作の模範を欧米に求めていたといえる。彼は、欧米からダンス教本を取り寄せたり、留学したりするなかで、欧米のダンス教育の理論や教材をわが国に翻訳・紹介したほか、後には自作のダンス教材を創作・発表している。
彼が創作したナチュラルダンスの教材を著書の記述から再現し、分析したところ、爪先立ちの動きや後方バランスのポ-ズを用いるなど欧米の古典舞踊の技法を積極的に取り入れていること、ダンスのモチーフにギリシア神話のニンフ物語を選ぶなど当時の欧米のギリシア回顧趣味の影響がみられることがわかった。
すなわち、荒木は、欧米のダンス教育の理論と内容との導入によって身体と美意識との両面から日本人を西欧化しようとしたといえる。また、この西欧化こそが彼にとって近代化の方策であったと結論づけられる。

Report

(1 results)
  • 1995 Annual Research Report

URL: 

Published: 1995-04-01   Modified: 2016-04-21  

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