多変量解析モデルにおける推定手法の有効性とその応用に関する研究
Project/Area Number |
07780201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Statistical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保川 達也 東京大学, 経済学部, 助教授 (20195499)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 分散成分モデル / 混合線形モデル / 縮小推定 / 分散比 |
Research Abstract |
本研究課題では,多変量解析モデルのパラメータ推定について,理論的に有効でしかも応用上有用な推定手法の開発を行った。 1)分散成分の推定 この推定問題は,合衆国を中心に最近特に活発に議論されているSmall-Area推定問題に関連している。例えば,合衆国のある州の穀物の作付面積について,各郡(Small-Area)から1〜5個のデータが得られているとき,それぞれの郡の平均的作付面積は標本平均で推定されるのが普通である。しかしデータ数が1〜5と少ないため,推定のバラツキがきわめて大きくなってしまう。そこで安定した推定を与えるために,分散成分(混合線形)モデルを用いて,それぞれの郡の周りの地域の情報を使いより有効な推定手法を求める。分散成分が既知なら最良線形推定量が用いられるが,実際には分散成分は未知だからそれらを推定する必要が生ずる。通常の分散成分の不偏推定量は負値を取り得てしまうという不合理な性質があるため,最近開発されたIERD法を用いて,正値をとってしかも不偏推定量を改良する優れた推定手法の開発を行い,Small-Area推定問題に適用した。 2)分散比の二重縮小推定 平均が未知の正規分布に従う2つの標本において,分散比の二重縮小推定量を求める問題を考察した。分散比の分母,分子を同時に縮小する,いわゆる二重縮小推定量の導出は,技術上の困難さを伴うため,従来はSteinの方法を用いた単純な縮小推定量が考えられてきた。この問題に対して,IERD法を用いて通常の推定量を改良するきわめて自然な二重縮小推定量のクラスの構成に成功した。このクラスの中には,経験ベイズ推定量や一般化ベイズ推定量が含まれており,優れた結果であることがわかる。また数値計算を行うことによって,一般化ベイズ推定量の改良度がきわめて高いことなどがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)