動的集団のリスク評価に対する生存時間分析の理論的研究とデータ解析への応用
Project/Area Number |
07780205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Statistical science
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 正明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (40173794)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 生存時間分析 / 動的集団 / 遅延登録 / 尤度 / 指数分布 / ポアソン回帰 / 人年法 / 原爆被爆者 |
Research Abstract |
1.疫学研究における追跡調査などにおいて研究対象地域を固定し大規模な集団を長期間観察する場合、対象者が一度研究地域から転出(脱落)し、ある程度の期間をおいて再度転入し再登録されることがあり、このような対象者を含む集団を動的集団と呼ぶ。動的集団は固定集団の拡張版とみなすことができるが、未だ生存時間解析における理論的研究は進んでいない。本研究ではCox and Oakes(1984)の遅延登録の概念に対する条件付き生存確率の利用とClayton(1988)の観察期間内の区分された時点でのセンサリングの概念を用い、不完全な観察期間を持つ動的集団に対する生存時間分析における尤度を導出した。またこの動的集団に対する尤度は、従来の固定集団に対する尤度を一般化した形で得られることが導かれた。 2.さらに本研究では、観察期間を既知の時点で区分し、区分された各期間内ではハザードが一定となる区分的指数分布を仮定して前述の動的集団に対する生存時間分析の尤度に代入し整理すると、グループ化されたデータに対する観察人年法を用いたポアソン回帰モデルから得られる尤度と同等になることを示した。この知見により、固定集団だけでなく動的集団に対しても、グループ・データに対するCox型生存時間解析を既存の統計パッケージ(例えばEpicureの中のAMFITプログラム)を用いて、具体的にデータ解析を行う道を開いた。 3.実データの解析として広島大学原爆放射能医学研究所の原爆被爆者集団に適応した。この集団は広島県内に居住する全ての被爆者から構成され、それ故対象者の一部は広島県外へ転出しその後再度転入した履歴を持ち、動的集団の代表例である。なお、本解析結果は放射線生物学や疫学分野において重要な知見を与えるものであり、得られた解析結果を今後各関連分野に対して報告していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)