Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,マイクロプロセッサのチップ上に個別に実装され,チップ面積の大きな割合を占めるTLBとキャッシュメモリについて,それらをタグの共有という形で統合化することにより,領域の縮小を試みた.また,縮小によって得られた領域をTLBの拡大として再利用することにより,メモリアクセスサイクルの減少の可能性について検討した. まず,TLB統一型キャッシュメモリの構成とその制御法を明確にし,TLB統一型キャッシュメモリのハードウェア量をレジスタビット相当で評価した.その結果,TLB統一型キャッシュメモリを導入することにより,従来のキャッシュメモリとTLBの構成に比べて,ハードウェア量を大幅に削減できることがわかった.そして,削減できたハードウェアをTLBの拡張に再利用した場合,キャッシュサイズが4KBの時は16エントリのTLBを2倍,8KBの時は4倍,16KB,32KBの時は8倍,128KBの時は16倍にそれぞれ拡張できることが明らかになった.次に,TLB統一型キャッシュメモリの性能評価をトレースドリブンシミュレーションにより行った.まず,実用的な8個の応用プログラムをワークステーションで800万命令実行した際のメモリアクセル状況を記録し,これを命令実行に必要なメモリアクセスとして,TLB統一型キャッシュメモリシミュレータと通常のTLB-キャッシュメモリシミュレータに入力した.そして,シミュレータ上でのキャッシュとTLBを介したメモリアクセス状況から,それぞれのミス率を求め,ミス率から1命令の実行に必要な平均メモリサイクル数を求めた.シミュレーションによる性能評価の結果,TLBとキャッシュメモリの統合化により削減できるハードウェア領域をTLBの拡張に再利用することにより,同量のハードウェアを必要とする従来型の構成比べて,メモリサイクル数減少させることが可能であることを明らかにした.
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