主双対内点法におけるスケーリングが計算時間・計算複雑度に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
07780381
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会システム工学
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 章子 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (50234472)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 内点法 / 相補性問題 / 計算複雑度 / ニュートン法 / スケーリング |
Research Abstract |
本研究は、n×n行列Mとn次元ベクトルqに対してy=Mx+q,(x,y)【greater than or equal】0,x_iy_i=0(i=1,・・・,n)を満たす2つのn次元ベクトルx、yを見つける問題である線形相補性問題を対象とし、新しい有効な解法を構築するための基礎的な解析と計算実験を行なった。線形計画問題、凸2次計画問題など、社会の様々な問題をモデル化する際に頻繁に用いられる問題は、等価な線形相補性問題に置き換えることができ、本研究で得られた成果はこのような問題の解法に対しても意義がある。 本研究の当初の目的は、以下の3点であった。 1.降下法の方向を決定するためのスケーリングにパラメータを導入し、新たな探索方向の族を導く。 2.パラメータの選び方と従来の解法との関連性を示す。 3.計算実験を行い、パラメータの選び方と計算時間の関係について議論する。 これらについては本報告書に記載した論文「線形相補性問題に対する内点法のスケーリングに関する一考察」(当該雑誌に掲載予定)にその結果がまとめられている。1.については導かれた新たなスケーリングの族によって多項式計算複雑度が保たれることを示し、2.については、この族に従来の内点法で用いられてきたスケーリングが含まれていることを明確に示した。また3.については、大変小規模の問題についてのみではあるが、新たなスケーリングを用いることによって、より効率の良い解法が構築できる可能性があることを示唆することができた。 また、当初の目的を越えて、内点法とは背景が異なる解法についても、類似性を持つスケーリングを用いた解法が存在することもわかり、これについても計算実験を行なった。その結果、実験結果からは内点法と同様の計算時間の振舞いが確認された。以上は論文「シグモイド関数を用いた線形相補性問題に対する反復解法の実験」にまとめられている。残念ながら、この解法の計算複雑度に関しては理論的な成果を導出することができなかったが、今後の課題とする予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)