He希釈RFスパッタによるルチル型TiO_2結晶の低温成長とその機構解明
Project/Area Number |
07780424
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
|
Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
沖村 邦雄 福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (00194473)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | RFマグネトロンスパッタ / ルチルTiO_2薄膜 / 低温成長 / He希釈 / プラズマパラメータ |
Research Abstract |
本研究では、反応性RFマグネトロンスパッタ法によるTiO_2薄膜作成において、He希釈によって低温でルチル結晶薄膜を作成する条件を明確にすると共に、ルチル相の成長機構を明らかにすることを目的として進め、以下のような成果を挙げることができた。 まず成膜時と同一の条件下で、RFマグネトロンスパッタ過程のプラズマ特性を発光分光法、原子吸光方法、静電プローブ法、エネルギー分析器によって調べた。その結果、水平方向の磁場強度が最大となる径方向位置のターゲット近傍において電子温度10eV程度、電子密度10^<10>cm^<-3>程度の高温・高密度プラズマが生成されており、この領域の直下において低ガス圧のときルチル結晶が顕著に成長することが判明した。更にHeガスを導入して同様にプラズマ特性を調べた結果、全圧20mTorrとやや高い条件において、全空間に渡って電子温度が高くなることがわかった。このため、He希釈なしでは成長しないルチル相が基板の位置に関わらず成長するという結果が得られた。 更に基板に入射するイオンの質量分析を行い、入射イオンはAr,O_2、Oイオンから構成されるが、ルチル結晶が成長する低圧域ではArイオンが支配的であること、及びHe希釈によってArイオン電流が増加することが判明した。この結果は、ルチル相の成長に対してArイオンのアシスト効果が必要であることを示した。 以上により、He希釈はプラズマの電子温度を上昇させ、電子衝突電離を促進することによって基板へ入射するArイオン電流などを増加させ、その結果ルチルTiO_2薄膜の成長をもたらすという機構が明らかになった。これらの成果は、光学膜等への応用が進展しつつあるルチルTiO_2薄膜の低温成長への見通しを与えると共に、最近汎用されるようになってきたHe希釈の効果を示したもので、スパッタリング法を中心としてその波及効果は大きいと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)