Project/Area Number |
07780454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 聡 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70262110)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 酸性雨 / 亜硝酸 / バイオセンサー / 亜硝酸環元酵素 / メディエーター |
Research Abstract |
本研究は、バイオセンサーを用いて雨の中に含まれる酸性雨原因物質の迅速かつ簡便な測定を行うことを目的とした。バイオセンターは、様々な物質が混在している溶液の中から、目的とする物質だけを選択的に定量出来るデバイスとして知られている。また、高感度な測定を比較的安価な装置によって行えるという利点がある。本研究では、測定対象を酸性雨中の亜硝酸イオンとし、分子認識素子として亜硝酸環元酵素を用いた。また、この酵素が触媒する反応を検出するトランスデューサーとして、金電極を用いた。電極反応を効率よく行わせるために、酸化環元メディエーターとして1-メトキシPMSを用いた。このようなバイオセンサーは、適当なメディエーターを用いることにより、原理的には反応の信号をいくらでも増幅することが可能であり、より高感度な測定が可能である。 まず、予備的な実験として、酵素を含ませたろ紙をガラス電極上に固定化し、試料溶液中に挿入した。反応の結果水素イオンが局部的に減少することに起因すると思われるpHの増加が観察された。このポテンシオメトリックな系では感度が低いため、電極活物質を電極上で酸化環元反応させるアンペロメトリックな系を検討する必要性が示唆された。そこで酵素を金電極上に固定化した。1-メトキシPMSを含む亜硝酸塩標準液を調製してセンサーの検量線を作成した。電流はポテンシオスタットによって測定した。その結果、0〜2ppmの亜硝酸イオンの測定が可能であった。また、市販のイオン選択性電極に匹敵する検出下限(0.2ppm)が得られた。さらに、実際の雨について、従来法である吸光度法と本センサー法で測定値の比較を行ったところ、相関関係が見られた。以上、本研究で開発されたバイオセンサーによって、雨の中に存在する亜硝酸イオンを迅速簡便かつ高感度に測定できることが明らかとなった。
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