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市街地降雨時排水の海藻の生育に及ぼす影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 07780477
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 環境保全
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

鈴木 祥広  宮崎大学, 工学部, 助手 (90264366)

Project Period (FY) 1995
Project Status Completed (Fiscal Year 1995)
Budget Amount *help
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Keywords降雨時排水 / 環境影響評価 / ノリ殻胞子 / 生物試験 / 塩分 / 栄養塩 / 懸濁粒子
Research Abstract

本年度の研究目標は、海藻(ノリ)の生育可能な水環境を把握し、それをもとに排水が沿岸域に及ぼす影響を評価することであった。ノリの殻胞子の基材への着生、発芽から葉状体に至る過程を供試体として生物試験を行い、得られた知見を以下に述べる。
(1)ノリの生育可能な塩分、栄養塩環境の見積り
【塩分】天然ろ過海水(塩分34)を蒸留水で希釈することによって、塩分0(蒸留水のみ)、3.4、7、17、34(天然海水のみ)の海水を作成した。それぞれについて硝酸塩、リン酸塩などを添加して1/20・PES培地の栄養塩濃度に調製した。ノリの殻胞子をそれぞれの培地で4日間培養し、24時間後と4日間の生残率と発芽率を測定した。24時間後における生残率は、塩分34と比較して塩分17では有為差はなく、塩分7では15%、塩分3.4では4.5%となり、さらに塩分0では完全に死滅した。4日後の発芽率に関しても34と比較して、塩分17は有為差はなく、良好に生長する傾向を示した。この結果から、淡水が海水に50%流入した場合でもノリ殻胞子の生存・発芽に影響を及ぼさないことが明らかとなった。
【栄養塩】1/1・PES培地を対照区として、0(海水のみ)、1/100・PES、1/50・PES、1/20・PES、2/1・PESならびに5/1・PESの栄養塩濃度の異なる7つの培地でノリの殻胞子を培養し、4日間後の発芽率を測定した。1/1・PES培地のNとPの濃度は、それぞれ9mg/lと1mg/lであり、1/100・PESとは1/1・PESの栄養塩濃度の百分の1の濃度を意味し、NとPはそれぞれ0.09mg/lと0.01mg/lの濃度である。その結果、発芽率は海水のみの培地と1/100・PESを比較すると、後者が有為に高い値を示した。また、1/100・PES、1/50・PES、1/20・PES、2/1・PESならびに5/1・PESの培地ではほぼ同じ発芽率を示した。この結果から、ノリは極めて高濃度(NとPがそれぞれ45mg/lと5mg/l)の栄養塩環境(富栄養化)においても良好に生育できることが明らかとなった。
(2)市街地降雨時初期排水の及ぼす影響
市街地降雨時初期排水には高濃度の懸濁粒子が含まれていることから、ノリ殻胞子の基質への着生および発芽に対するカオリン粒子のおぼす影響について、自然条件下で起こり得る3つの異なるケースを仮定してモデル実験を行った。殻胞子とカオリン粒子が同時に混合した状態で基質に到達して場合において、最小影響濃度と半数影響濃度は、それぞれ1mg・l^<-1>(1μg・cm^<-2>)と2mg・l^<-1>(2μg・cm^<-2>)と見積もられ、極めて低い懸濁粒子濃度で著しい影響を及ぼすことが明らかとなった。
(1)、(2)の結果から、排水中に含まれる懸濁粒子の沿岸域への流入は、仮に有害性物質を含まない場合においても、海藻の生育に著しい影響を及ぼすことが強く示唆された。なお、市街地降雨時初期排水と流入海域の水質調査については本年度は報告できる成果が得られておらず、次年度の課題とする予定である。

Report

(1 results)
  • 1995 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 鈴木祥広・丸山俊朗 他: "海水中におけるモノクロラミンの減衰と残留する酸化性物質の存在" 水環境学会誌. 19(発表予定). (1996)

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      1995 Annual Research Report

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Published: 1995-04-01   Modified: 2016-04-21  

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