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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ハッカおよびミカンのリモネン合成酵素は,ゲラニル二リン酸(GPP)を種特異的にそれぞれ(S)-リモネンおよび(R)-リモネンに変換する。種特異的な環状モノテルペノイド生合成における基質-酵素との精密構造認識機構の解明を計った。(1)リモネン合成酵素の活性化因子であるMn^<2+>が,GPPの二リン酸基に配位する際のGPP炭素鎖の構造変化を解明した。^1H,^<31>P NMRの緩和時間測定から,GPPの炭素鎖はMn^<2+>の配位によりendo型に折れ曲がっていた。一方,シトロネリル二リン酸およびデヒドロゲラニル二リン酸の二リン酸基にMn^<2+>が配位してもそれぞれの炭素鎖には構造変化がほとんど観測されなかった。従って,Mn^<2+>の配位によるGPPの構造変化は,配位したMn^<2+>と2位および6位の二重結合との相互作用によるものと考えられた。(2)ハッカとミカンのリモネン合成酵素を用いて,(S)-および(R)-[1-^2H]GPPから(S)-および(R)-リモネンを生合成した。それぞれの酵素により生成したリモネンの重水素標識位置から,GPPの二リン酸基は,ハッカにおいてもミカンにおいても(2re,3si)両側に脱離していた。従って,種特異的立体化学を持つリモネンが生合成されるのは,GPPの二リン酸基の脱離によって種特異的なendo型のリナリルカチオン中間体が生成し,これが環化するためと考えられた。さらに,ファルネシル二リン酸(FPP)合成酵素に,[1-^<13>C]GPPとイソペンテニル二リン酸(IPP)を加え,^<13>C NMRを用いて酵素反応を追跡した。反応開始2時間後,δ164.5に新たなシグナルが観測された。このシグナルは,超強酸によるアリルカチオンの^<13>Cケミカルシフトおよび分子軌道計算から,非局在化したリナリルカチオンと同定した。これまでFPP生合成機構は,GPPから生成したカチオンとIPPの付加によりFPPが生合成すると提唱されていた。今回,この機構を初めて実証した。
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