天然の変異体を用いたプロテアーゼインヒビターの構造-機能相関の研究
Project/Area Number |
07780518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
小島 修一 学習院大学, 理学部, 助教授 (80215243)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プロテアーゼインヒビター / SIL蛋白質 / 放線菌 / アミノ酸配列 / 酵素阻害剤 / 反応部位 / 変異体 / 進化統計樹 |
Research Abstract |
SSIはX線構造解析、蛋白質工学の手法などによりその構造-機能相関について詳細に調べられている蛋白質性のプロテアーゼインヒビターである。本研究では、種々の放線菌が生産し、SSIの相同蛋白質であるSIL蛋白質を研究材料として用いて、“SSIの天然の変異体"という観点からSSIの構造-機能相関に関する研究を行った。放線菌のうちStreptomyces由来の8種類、及びStreptoverticillium由来の7種類のSIL蛋白質を放線菌の培養上清から各種クロマトグラフィーを用いて精製し、特異性の異なる複数のプロテアーゼで断片化した。得られたペプチド断片のアミノ酸配列をプロテインシークエンサーを用いて決定し、それらを組み合わせそれぞれのSIL蛋白質の一次構造を確定した。酸性条件下ズブチリシンにより限定分解を行い反応部位を同定すると共に、合成基質を用いてズブチリシン、トリプシン、キモトリプシンに対する阻害定数を求めた。その結果、SSI同様どのSIL蛋白質も約110個のアミノ酸からなり、ズブチリシンに対して強い阻害活性を示した。トリプシンも阻害するSIL蛋白質の反応部位はLrsあるいはArgであり、トリプシンの基質特異性と合致した。それらのうちトリプシンに強い阻害活性を示すものはP4部位の側鎖が小さいなど、基本的にはSSIの変異体を用いて得られた知見を支持する結果が得られた。まらSIL15は反応部位にGlnをもつユニークなインヒビターであった。一方、βシート領域や疎水コアなどではアミノ酸の保存性が高く、アミノ酸置換は主に分子表面で起きていた。SSIの変異体を用いた解析からSSIがプロテアーゼインヒビターとして機能するために必要であることが明らかにされているアミノ酸残基はSIL蛋白質で完全に保存されていることもわかった。SIL蛋白質のアミノ酸配列から進化系統樹を作成し、それらの結果に基づいて放線菌の進化について考察を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)