Project/Area Number |
07780532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 恵春 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80250215)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 細胞内共生 / 原核生物 / ストレスタンパク質 / 遺伝子発現 / クローニング |
Research Abstract |
昆虫アブラムシは細胞内に大腸菌と近縁な原核細胞性の細胞内共生体を持ち、両者は典型的な絶対的共生関係を結んでいる。アブラムシ共生体は細胞内に大腸菌のストレスタンパク質であるGroELと相同なタンパク質(シンビオニン)を選択的に大量に蓄積していることが知られている。しかし、シンビオニン以外のストレスタンパク質の発現調節については調べられていない。そこで本研究では、シンビオニン以外のストレスタンパク質の代表として、大腸菌ではGroELとならんで発現量の多いDnaKに注目し、その遺伝子を共生体ゲノムよりクローニングし、発現を調べた。アブラムシ共生体のDnaKの一次構造は大腸菌のものと非常によく似ていた。アブラムシ共生体のdnaK遺伝子のすぐ下流には、大腸菌のdnaK遺伝子の場合と同様にdnaJ遺伝子が存在しており、両遺伝子はオペロンを形成していた。大腸菌のストレスタンパク質やアブラムシ共生体のシンビオニンの遺伝子の場合と同様に、共生体のdnaK遺伝子のすぐ上流には、大腸菌でよく調べられているストレスプロモーター様の構造が存在していたが、それは実際にはプロモーターとして機能していないことが明らかになった。大腸菌のストレスタンパク質とは異なり、アブラムシ共生体のシンビオニンおよびDnaKのmRNAおよびタンパク質の量は、外界からのストレスによって大きく変動することはなかった。これらの事実から、アブラムシ共生体のストレスタンパク質の発現調節機構は大腸菌のものとはかなり異なるものであることが示唆された。
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