NAD glycohydrolase (CD38)の生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
07780533
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 真一 東京大学, 薬学部, 助手 (40219168)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | NAD / 環状ADPリボース / NAD代謝酵素 / ADPリボース環化酵素 / ヒトリンパ球表面抗原CD38 / カルシウムイオン / 情報伝達 |
Research Abstract |
我々は先に、NAD^+を基質とした細菌毒素の触媒するG蛋白質のADPリボシル化の研究を背景に、レチノイン酸(RA)によるHL-60細胞の好中球への分化過程にNAD^+分解酵素が誘導され、その酵素がヒトリンパ球表面抗原のCD38分子によることを明らかにした。CD38はアメフラシの卵精巣より単離されたADPリボース環化酵素と構造上類似し、さらに生成物である環状ADPリボースは、IP_3と同様にある細胞内プールからCa^<2+>を放出させる作用をもつことから、この新規環上ヌクレオチドは細胞内で新たなシグナル分子として機能することが期待された。本研究では、細胞内外でNAD^+を基質とする代謝酵素が情報伝達系において果たす生理的役割、また哺乳動物における環状ADPリボースの産生機構、並びにNAD^+分解酵素とADPリボース環化酵素との触媒活性の差異を生じさせる機構の解明を目的とし、以下の知見を得た。1. RA-分化HL-60細胞を抗CD38単クローン体抗体で刺激すると、いくつかの細胞内蛋白質がチロシンリン酸化されたが、その一つを120kDaのc-cbl遺伝子産物と同定した。2.この抗CD38単クローン性抗体刺激によって、化学遊走因子の受容体を介するHL-60細胞の活性酸素産生が増強された。3. Zn^<2+>がCD38に作用すると、そのNAD^+分解活性が抑制され、ASPリボース環化活性は逆に促進された。すなわち、Zn^<2+>によるCD38の酵素特性の転換が認められた。4. CD38遺伝子の第1イントロン内には、RAによってその抑制が解除されるnegative regulatory element (NRE)が存在し、RA(受容体)を介する新しい転写調節機構の存在が推定された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)