Project/Area Number |
07780561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
枝松 正樹 東京大学, 教養学部, 助手 (60251328)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | キネシン / NCD |
Research Abstract |
モーター蛋白質の運動機構の解明において、運動方向の決定機構の解明は重要課題のひとつである。本研究では一次構造が類似する反面、運動方向性の異なる2種類の微小管モーター蛋白質、キネシンとNCDを用いてその解析をおこなった。まず第一に、モータードメインのN末端から約1/4、2/4、そして3/4がNCDで残りの部分がキネシンのキメラ蛋白質をPCR法をにより作製し大腸菌により産生した。得られた蛋白質について性質をしらべたところ、これらすべての蛋白質は微小管に結合するもののATPによる微小管からの解離はみられず、また微小管によるATPase活性の活性化が全く検出されなかった。よってこれらのキメラ蛋白質ではキATPase活性自体に致命的な欠陥が生じているものと考えられる。次に、N末端から約1/4がキネシンそしてその次の1/4がNCD、そして最後の2/4がキネシンのキメラ蛋白質、またN末端約2/4がキネシン、次の1/4がNCD、そして最後の1/4がキネシンのキメラ蛋白質についても作製し、同様に微小管との結合・解離性について、そしてATPase活性についても検討したが、これらのキメラ蛋白質においてもATPase活性に致命的な障害が生じていた。これらのことは、キネシン、NCDにおいてはできるかぎり全体の分子構造を損なわない形で分子を改変していく必要があることを示唆している。そこで、現在は改変する領域をアミノ酸10から13残基に限定したものを様々な領域で作製し、その生化学的性質および運動性について検討を行っている。予備的な結果ではあるが、これらのいくつかは微小管によるATPase活性の活性化の性質を保持していることが明らかになっている。今後、これら狭い領域を改変したキメラ蛋白質について運動方向性について詳細な検討をおこなう。
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