Project/Area Number |
07780562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 義弘 東京大学, 教養学部, 助手 (10223843)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 副腎皮質細胞 / ACTH / カルシウム信号 / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
ペプチドホルモン(ACTH)の副腎皮質細胞におけるセカンドメッセンジャーとしては、従来cAMPが知られてきたが、一方、10pM程度の生理濃度のACTHでは細胞内でcAMPの濃度上昇が起こらないという問題点もあった。本研究では高感度蛍光イメージング法により、上記の低いACTH濃度でさえ、ほとんど全ての副腎皮質細胞で細胞内カルシウム濃度の変動(カルシウム信号)を見いだし、カルシウムがACTHのセカンドメッセンジャーである可能性を示した。 カルシウム信号には大別して、次の3種類が観察された。1)カルシウム濃度の周期的変動、2)定常的にカルシウム濃度が上昇した状態、3) 1)と2)の混合状態、でありそれぞれ35%、10%、55%の割合で存在し、どの細胞もステロイドホルモン合成酵素をたくさん持っていた。また、ごく僅かではあるが一過的なカルシウム濃度の上昇を示す細胞もあり、この細胞はステロイドホルモン合成酵素を持たなかった。 ステロイドホルモンの合成には、細胞内カルシウム濃度の上昇とプロテインキナーゼCの活性化の両方が必要であり、どらちを欠いてもステロイドホルモン合成は大きく抑えられた。 上記のことから、ACTHのセカンドメッセンジャーはカルシウムである可能性が強く示唆された。また、一部の副腎皮質細胞はACTHに応答するもののステロイドホルモン合成酵素を保持しておらず、機能的に異なった状態で存在することもわかった。
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