Project/Area Number |
07780565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 茂敬 東京大学, 薬学部, 助手 (10204752)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ナメクジ / 脳神経節 / 嗅覚処理 / セロトニン / ドーパミン / 光学測定 / 膜電位感受性色素 |
Research Abstract |
.膜電位感受性蛍光色素(Di-4-ANEPPS)によりナメクジ単離脳を染色し、128×128フォトダイオードアレイを用いて光学測定を行った。嗅葉介在神経集団の同期的膜電位振動は、まず、神経突起領域で自発的にゆっくりと脱分極し、それに続いて細胞体層を外側から内側に向かって興奮の波が伝搬する事により生成される事がわかった。この膜電位振動の周波数は嗅覚受容器に対する匂い刺激により増加した。周波数の増加は神経突起領域における膜電位振動の過分極ピーク値と正の相関が認められた。これらの結果は、神経突起領域における過分極の程度が嗅葉全体の振動数を決定し、嗅覚入力による修飾もそこに作用することを示唆している。 嗅覚神経束の電気刺激を行い、脳神経節内の嗅覚神経の興奮の伝搬を可視化する事に成功した。セロトニン、ドーパミン、グルタミン酸の及ぼす効果を調べたところ、、嗅葉神経突起領域における脱分極は、セロトニンおよびドーパミンにより増強され、グルタミン酸により抑制されることが解った。単離した嗅覚神経束の一端を電気刺激するとともに他端より誘発電位を記録し、上記伝達物質の効果を調べたところ同様の結果が得られた。これらの結果は、上記伝達物質が嗅覚神経に直接作用することにより嗅葉介在神経への入力を修飾する可能性を示唆している。 3.嗅葉介在神経を単離培養し、上記伝達物質が細胞内Ca^<2+>濃度に及ぼす効果をFura-2を用いて調べた。介在神経にはセロトニンとドーパミンの両方に反応して細胞内Ca^<2+>濃度が増加する細胞とドーパミンのみに反応する細胞が存在することが分かった。グルタミン酸による細胞内Ca^<2+>濃度の有意な変化は認められなかった。以上の結果は、セロトニンおよびドーパミンは嗅覚神経(シナプス前神経)に作用するとともに、介在神経(シナプス後神経)にも作用することを示唆している。
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