Project/Area Number |
07780605
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
高見 恭成 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80236356)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヒストン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
H1ヒストンは約200個のアミノ酸よりなるリジンに富んだクロモソーマルタンパク質のグループである。これらのタンパク質はヌクレオソーム鎖の凝縮による高次構造形成に重要であると考えられている。H1ヒストンは5種のヒストンのなかでも最もheterogenousであり、ニワトリでは6遺伝子存在し、それぞれが異なるアミノ酸配列を有する6種のバリアントをコードする。この多様性の意義については明らかでないが、これらバリアントの発現は発生や分化、を通じて異なる制御を受けているため、機能的に異なっている可能性が考えられる。H1ヒストンの役割に関する推察のほとんどがin vitroでの再構成系での研究に基づいており、実際にin vivoでのH1の機能を調べた研究は皆無に等しい。 今回、H1バリアント間での機能的相違の有無をin vivoで明らかにする目的で、ターゲットインテグレーションを高頻度で起こすことが知られるDT40細胞を用いたジーンノックアウト法で個々のH1ヒストンバリアント遺伝子欠損変異株を作製し、種々の諸性質を比較検討した。 現在までに、6種のH1バリアントの中、5種をそれぞれ1つ欠失した変異株を作製に成功している。これら変異株の解析を行なったところ、形態およびgrowth速度に変化は認められなかった。変異株間での遺伝子発現の変動を、総タンパク質の2次元電気泳動パターンを比較することにより検討したところ、明らかにいくつかのスポットに特異的な変化があり、特定のH1バリアントの欠損に伴って、いくつかの蛋白質の発現に変化が認められた。すなわち、各H1ヒストンバリアントは特定の遺伝子発現に寄与していると考えられる。現在、これらの蛋白質の同定を試みている。 これらの結果は、H1ヒストンはクロマチンの構造維持等の他に、クロマチンの構造変化による特定の遺伝子発現制御を含めた固有の生理機能を担っている可能性を示している。
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