Project/Area Number |
07780607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山本 一男 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70255123)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | rRNA遺伝子 / プロモーター / 転写制御 |
Research Abstract |
リボソームRNA(rRNA)遺伝子の転写にはRNAポリメラーゼI(Pol I)のほかに、基本転写因子TFID/SL1と転写活性化因子UBFが関与しており、これらが相互に作用して転写が開始される。DNA側の情報としてはコアプロモーターが正しい位置からの転写開始に必須であることから、この領域に直接結合する因子調べたところ、UBF、TFID/SL1いずれとも異なる分子量約70、000の蛋白質p70を新たに見出した。この新規蛋白質p70の機能と構造を明らかにする目的で次のような目標を設定した。本年度で得られた成果とともに以下に示す。 (1)p70の精製 約150匹のマウスを用いて腹腔内培養したMH134細胞より、約200mlの細胞抽出液を得ることができた。これを出発材料として、UVクロスリンク法を用いて活性を検定しながらp70の精製を進めた。交付申請書に記載した5つのカラムクロマトグラフィーにより精製を行ったが、残念ながら完全精製には至らなかった。引き続き精製条件を検討中である。 (2)再構成系の作製 rRNA遺伝子転写におけるp70の機能を調べるために、精製したPol I、UBF、TFID/SL1を用いて試験管内でrRNA転写を再現する再構成系を作製した。UBFは、クローン化したcDNAをもとにバキュロウイルスを介して昆虫細胞で大量発現系を構築し、数mgの組み換え体を得ることができた。TFID/SL1に関しては、サブユニットのひとつであるTBPにHA抗原タグを融合した人口蛋白質を高発現する細胞株を樹立することができた。この細胞から描出液を調製し、HA抗原に対する抗体を用いた免疫沈降によってTFID/SL1を精製する。分析スケールの予備実験で、目的物が回収できることを確認している。完全に精製された因子による再構成系は引き続き構築中であるが、現時点で得られている系ではp70に依存して特異的な転写が再現されることから、p70はrRNA遺伝子の転写開始もしくは伸長反応において何らかの役割を担っていることが明らかになった。
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