動物細胞におけるアゴニスト依存性cAMP排出の重要性とその機構の解明
Project/Area Number |
07780620
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 淳一 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90212000)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | cAMP / アデニレートシクラーゼ / 12-hydroxyeicosatetraenoic acid / 繊維芽細胞 / アラキドン酸代謝 |
Research Abstract |
申請者はこれまで血小板や種々の培養動物細胞を用いて情報伝達経路に関わる蛋白質や脂質についての研究を行ってきた。この過程でアラキドン酸の代謝産物であるある脂質が培養繊維芽細胞においてアデニレートシクラーゼを強く抑制することを発見し、その作用機序を検討して行くうち、細胞が作ったcAMPがほとんど細胞外に出されていることに気付いた。そこでcAMPが粘菌以外の生物においても細胞外で何らかのシグナル伝達分子として機能しているのではないかという仮説をたて、「高等生物におけるcAMPの細胞外メッセンジャーとしての役割の解明」と言う課題で平成5年度の奨励研究(萌芽的研究)の交付を受けた。本研究ではこの課題のもとで前年度得られた成果をもとにして、さらに具体的にcAMPが細胞の外に積極的に排出され、異種の細胞に影響を与える過程について明らかにすることをこころみた。cAMPを介した異種細胞同士のコミュニケーションのモデルとして、間質組織における線維芽細胞とそこに浸潤してきた白血球との組み合わせに仮定し、実験を行った。まず培養線維芽細胞においてアゴニスト刺激によるcAMPの産生と排出がどのようにカップルしているかを、細胞内外のcAMP量をラジオイムノアッセイで測定して調べた。その結果線維芽細胞ではプロスタグランジンなどのアゴニストで産生したcAMPは大部分が細胞外に排出されることがわかった。これに対し、白血球系の癌細胞であるHL-60ではアゴニスト刺激によって産生したcAMPは半分以上細胞内にとどまるという意外な結果が得られた。白血球は刺激を受けるとロイコトリエンなどの生理活性脂質を作るが、このような物質が周りの線維芽細胞のcAMP排出に与える影響を見たところ、12-hydroxyeicosatetraenoic acid(12-HETE)が線維芽細胞からのアゴニスト依存性cAMP排出のみを特異的に抑制することがわかった。白血球が産生する生理活性脂質が細胞特異的なcAMP排出の抑制をすることは細胞間質での細胞間のクロストークにこれらの物質が関わっていること可能性を示唆している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)