傷により活性化される植物の46-kDaプロテインキナーゼの精製とその遺伝子の単離
Project/Area Number |
07780622
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇佐美 昭二 名古屋大学, 理学部, 助手 (80242816)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 植物 / 傷 / プロテインキナーゼ / シグナル伝達 / サリチル酸 |
Research Abstract |
我々は、タバコの成熟葉において傷によりきわめて早く一過的に活性化される、大きさが46 kDaのプロテインキナーゼの存在を酵素化学的に明らかにした(研究発表参照)。このキナーゼは傷以外にも、キトサン、タバコ細胞壁の分解物、サリチル酸、シクロヘキシミド酸により各々、異なるパターンにより活性化されることも明らかにし、このキナーゼに対しplant multisignal-activated protein(PMSAP)kinaseと命名した。PMSAPキナーゼはその性質から細胞外刺激を細胞内に伝えるシグナル伝達系に関っていると予想される(研究発表参照)。本年度はこのキナーゼの活性化機構を生理学的に解析するとともに(上記知見等)、キナーゼの精製を行ってきた。タバコ成熟葉を出発材料として、PMSAPキナーゼの活性化条件、抽出条件の検討後、タンパク質の精製法に従って、陰イオン交換カラム(mono-Q)、逆相カラム(フェニルセファロース)、ヒドロキシアパタイトカラム等を用いて精製を行ってきた。タバコ成熟葉を用いた場合、多量に存在する光合成関連タンパク質がPMSAPキナーゼと分離されないことから、最終的に成熟葉からの精製を中止した。代わって、精製材料としてタバコ培養細胞BY-2を用いることを検討した。タバコ培養細胞BY-2における種々の刺激に対するPMSAPキナーゼの応答性を調べた結果、成熟葉における応答性と多少異なるものの(刺激の種類により活性化パターンが異なる。)、基本的には同一であることが明らかになったことから、培養細胞BY-2を用いてPMSAPキナーゼの精製を行っている。現在のところ、まだ数百倍程度にしか精製されていないが、成熟葉における精製法を利用できることから、精製は時間の問題であると予想される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)