出芽酵母の細胞周期特異的に発現する新規キナーゼ遺伝子PAK1の解析
Project/Area Number |
07780626
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 誠司 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50263314)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 出芽酵母 / 細胞周期 / G2 / M期 / nim1^1 / NIK1 |
Research Abstract |
出芽酵母遺伝子NIK1(PAK1より変更)は、分裂酵母の細胞周期変異株(cdc2,cdc13)の温度感受性変異(ts)を相補する出芽酵母由来の未知のマルチコピーサプレッサーである。本年度の研究では以下の様な実験を行い、結果を得た。NIK1(nim1-KIN1,2 like kinase)遺伝子の塩基配列を決定したところ、1518アミノ酸の遺伝子産物をコードし、分裂酵母のnim1^+遺伝子や出芽酵母のKIN1、KIN2遺伝子と類似性を示すSer/ThrタイプのカイネースモチーフをN末端付近に持っていた。ノーザン解析から、長さ約5kbのNIK1mRNAはDNA polymeraseαとほぼ同じ時期をピークとして周期的に転写量が増減しており、また、NIK1 ORFの上流には、酵母のG1/S期の調節配列として知られているMCB、SCB配列や哺乳類で見つかっている転写因子であるE2F結合部位ともよく似た配列が複数存在していることが分かった。常法にしたがってNIK1遺伝子破壊を行ったところ、破壊株は致死ではないものの、G2/M期の細胞の割合が増加細胞が野性株よりも増加しており、細胞が増殖し定常期にはいっていくにつれて細胞が異常にのびた奇妙な形態を示した。その形態は、出芽酵母中で分裂酵母のcdc2阻害因子であるwee1^+遺伝子を強制発現させた時に観察されるものと類似していた。これらの細胞では、核は正常に分裂しておらず、短いスピンドルを持つ細胞が多く観察された。以上のことから、NIK1が分裂酵母以外で見つかっていなかったnim1^+遺伝子の出芽酵母ホモログである可能性が示唆された。さらに、出芽酵母のCDKであるCDC28のts変異とNIK1欠損の二重変異株は、cdc28^<ts>単独よりもより低い温度でのtsを示し、FLAG-tagを付けて強制発現させたNIK1産物は、p13^<SUC1>ビーズと共沈した。p13^<SUC1>は分裂酵母Cdc2-cyclin複合体に含まれるサブユニットである。また、実際にNIK1産物がkinase活性を持つことも確認した。これらのことから、NIK1が未知の細胞周期の進行の制御を行っていると考えて解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
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