標的遺伝子組換えによるガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子の発生過程での機能解析
Project/Area Number |
07780649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 雅秀 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50251450)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 標的遺伝子組換え / 遺伝子欠損マウス / 糖転移酵素 / ガラクトシルトランスフェラーゼ / 角化亢進症 / 細胞増殖 / 二糖類分解酵素 |
Research Abstract |
Asnに結合する複合型糖鎖のガラクトース(Gal)の転移を担い、それ自身も細胞接着分子として機能することが示唆されているβ1, 4-ガラクトース転移酵素(β1, 4-GalT)遺伝子を欠損したマウスを作製して、生体内での糖鎖の機能を解析した。昨年度までの研究により、β1, 4-GalT遺伝子に変異を導入したES細胞クローンを9個単離していたので、本年度は3クローンについて集合キメラ法によりキメラマウスの作製を行ったところ、2クローンが生殖系列に伝達され、目的のβ1, 4-GalT遺伝子欠損マウスの作製に成功した。ホモ欠損マウスではβ1, 4-GalT活性がほとんど検出されず、レクチンブロット解析からもほとんどの糖タンパク質の糖鎖はGalが結合しておらず、GlcNAcで糖鎖の転移が止まっていることが確かめられた。 ホモ欠損マウスは正常に生まれてくるが、生後数日から著しい成長遅延と激しい皮膚の角質化が認めれ、離乳前に約半分のホモ欠損マウスが死亡し、4カ月齢では80%のマウスが死亡した。各臓器の組織切片を調べたところ、皮膚の基底細胞層が肥厚し、小腸のクリプトが巨大化しており、これらの領域に存在する上皮幹細胞の増殖が亢進していることが示された。実際、小腸のクリプトでの細胞増殖速度が正常マウスに比べて約4倍に亢進しており、β1, 4-GalTにより合成される糖鎖は上皮細胞の増殖を負に制御していることが明らかとなった。また二糖類分解酵素の発現を指標に離乳前の小腸上皮細胞の分化状態を調べたところ、ホモ欠損マウスではラクターゼの発現が低く、逆に離乳後に発現してくるマルターゼやイソマルターゼが既に発現していることがわかった。表皮上皮細胞の増殖の増大は角化亢進の原因であり、小腸上皮の分化異常、特にラクターゼの欠損は離乳前の成長遅延と死亡の原因と考えられる。以上のようにβ1, 4-GalTの合成する糖鎖は上皮細胞の増殖と分化を制御しているという全く新しい知見が得られた。今後はこのマウスを用いることにより、初期胚の発生や細胞の癌化における糖鎖の役割についても新しい知見が得られることが期待できる。なお以上の結果は現在論文を投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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