Project/Area Number |
07780673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 二美 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60205961)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 視床網様核 / 視床外側腹側核 / 介在細胞 / シナプス / 電顕連続切片 / 三次元再構築 / GABA / 運動系 |
Research Abstract |
視床の運動核である視床外側腹側核への抑制性入力の起源として考えられている核内の介在ニューロンと視床網様核ニューロンの、視床核内で果たす役割を明らかにする目的で実験を行った。ネンブタール麻酔ネコを用い、吻側視床網様核にWGA-HRPを注入し視床への入力を順行性に標識し、さらに大脳皮質運動野にWGA-HRPを注入し、視床皮質投射ニューロンの逆行性標識を行った。反応を可視化し、電顕包埋した後、視床外側腹側核の超薄切連続切片を作成し、GABA抗体を用いた包埋後染色法を施した後、電顕観察を行った。電顕観察により、標識終末と樹状突起、他の神経終末の微細構造上の特徴を明らかにした。さらに電顕写真をトレースし、HRP標識終末とその周辺の構造物を、RATOC社のTRIシステムを用いて三次元再構築し、コンピュータグラフィクスによる表示を行い、視床外側腹側核の網様核由来の神経終末と、投射ニューロンの樹状突起、核内の介在ニューロンのシナプス前樹状突起間の相互関係を定量的に解析した。網様核終末は、小型で直径が0.7-2.9μm(1.3±0.4,N=97)であり、GABA陽性であった。多形性のシナプス小胞を含み、対称性シナプスを形成していた。シナプス後側の構造物は、投射ニューロンの細胞体、及び遠位樹状突起に多く、近位樹状突起上にはまれであった。97個の終末のうち8.3%が細胞体、3.0%が細胞体と樹状突起両者に接触していた。また、わずかながら、2本の樹状突起に接触しているものも認められた。シナプス後側の樹状突起の直径は、平均1.2μmと細かった。網様核由来の終末の介在ニューロンの突起との接触は、観察されなかった。これらの観察により網様核が、単シナプス性に投射ニューロンに抑制入力を及ぼすことが確認され、特に細胞体への入力は、投射ニューロンの活動に強い影響力を与えるものと考えられた。また、近位樹状突起に多く接触している小脳由来の終末とは、分布域が重なりあわないことから、投射ニューロン上で入力の分化がなされている可能性が示唆された。
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