Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
前年度までに提案してきた位相振動子結合系に関する学習アルゴリズムを,神経振動子結合系に適用することにより,神経細胞間のシナプス荷重の学習則を導き,神経系の学習則モデルとして提案した.提案した学習則は,前シナプス細胞からの信号と後シナプス細胞の膜電位の時間変化の相関を用いる相関学習則の形で与えられる.これはヘッブ則を改良したモデルとして提案されているSutton-Barto (1982)の学習モデルを拡張した形になっており,生理学的にも妥当性のある学習則モデルと考えられる.さらに,生体の基本的な運動パターンはCPGと呼ばれる神経振動子結合系で制御していることが生理学実験によって知られているが,このような運動制御系のモデル化を行なった.そこでは,提案した学習則を用いて感覚器から神経振動子へのフィードバック信号の結合重みの学習を行なうと,制御対象の物理ダイナミクスが未知であっても,評価関数に基づいて適切な運動パターンの生成を行なうことが可能であることを示した.その妥当性はホッピングロボット等の学習制御のシミュレーション実験によって確認した.生理学実験においても,筋骨格系に存在する感覚器からCPGへのフィードバック信号がCPGの発火パターンに大きな影響を及ぼしていることが知られている.本研究は,生体におけるこのようなフィードバック信号が,運動パターンの学習制御を行なう上で重要な役割を果たしていることを説明するものである.本研究の成果の一部は国際学会(IWANN95, ICN95)において発表している.
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