Project/Area Number |
07780722
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
植村 信久 徳島大学, 医学部, 助手 (50184974)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 食欲抑制 / カテコラミン作動性ニューロン / セロトニン作動性ニューロン / 二重免疫染色 |
Research Abstract |
サイトカインであるInterleukin-1 (IL-1)による血糖調節の末梢性機序において、カテコラミンやセロトニンなどは体液性因子として関わるが、これらモノアミンは、摂食と血糖の調節を司る視床下部-脳幹-脊髄自律神経系に伝達物質として豊富に存在している。本研究では、IL-1の血糖低下作用における中枢性作用を介する機序、特にモノアミン含有神経細胞の関与について形態学的に解析した。神経細胞興奮の指標としては、c-fos蛋白(Fos)の発現を免疫組織化学的に検出した。IL-1は、その様々な中枢性作用のため、作用部位に関する単なる形態学的解析だけでは、摂食抑制作用へのニューロンの関与を特定できない。そこで、摂食抑制物質が作用する神経細胞と比較検討することにより、IL-1の食欲抑制作用に作動するニューロンが推定され得ると考えた。摂食抑制物質である内因性有機酸2-buten-4-olide (2-B4O)を投与したラットでは、視床下部室傍核および外側野、延髄、橋、中脳においてFos免疫陽性反応が観察された。これらのFos発現は、食欲抑制に働く上行性ならびに下行性ニューロンネットワークの存在を示唆した。Fosとカテコラミン合成酵素(Tyrosine Hydroxylase、TH)に対する二重免疫染色を行うと、核内Fosと細胞質THを有する神経細胞が視床下部と脳幹(延髄腹外側野、孤束核、青斑核、橋腹外側領域)で検出された。さらに、Fosとセロトニン合成酵素(Tryptophan hydroxylase、TpOH)の二重免疫染色にて、Fos/TpOH二重陽性細胞が縫線核(背側、正中)に確認された。これらの結果は、カテコラミンならびにセロトニン作動性ニューロンが食欲抑制系神経経路の一部を成すことを示した。以上の結果を踏まえ、次の段階としてIL-1投与による中枢神経系でのFos発現を調べ、摂食抑制を担う神経核および神経経路を同定し、モノアミン系ニューロンの関与について二重免疫染色を用いて検討する。
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